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特集

進む野菜の播種・移植作業の機械化
ここまできた野菜の播種機・移植機

野菜関係の機械化が進んできている。とくに、収穫機とともに移植機の開発が、この数年来進展してきている。一般的にいわれるように、農業労働力の高齢化が進んできていることも、その一因としてあげられるが、むしろ、野菜栽培の経営に占めるウエイトが大きくなり、以前にもまして省力化への要求が大きくなってきていることを反映した動きといえる。
野菜関係の機械化が進んできている。とくに、収穫機とともに移植機の開発が、この数年来進展してきている。一般的にいわれるように、農業労働力の高齢化が進んできていることも、その一因としてあげられるが、むしろ、野菜栽培の経営に占めるウエイトが大きくなり、以前にもまして省力化への要求が大きくなってきていることを反映した動きといえる。ここでは、山本健司氏に現状の野菜播種機・移植機をタイプ別に分けて俯瞰していただいた。なお、写真を紹介した機種は、編集部で選定した。

 野菜用の播種機、移植機は国内では昭和三〇年代から開発され始めた。当初は海外の製品が使われたが、その後、農機メーカーの開発努力と試験研究機関の基礎研究などにより、今日ではきわめて多くの機種が開発されている。これまで普及が遅れていた移植機も性能の向上に加え、近年の労働事情も反映して本格的な普及段階に入っている。

 これらの機械の種類や特長を中心に紹介しよう。


播種機



播種機の種類

 ダイコン、ニンジン、ホウレンソウなどの野菜の播種(点播)には表1に示すような播種機が利用されている。一般には裸種子を播くが、播種精度を高めるため、近年はコート種子を利用する場合も多い。また、播種機とマルチャ、施肥機等と組み合わせた同時作業機も多くなっている。


播種機の構造と特徴


【(1)ロール式、ベルト式播種機】

 野菜栽培に用いられている代表的な播種機である。ダイコン、ハクサイ、レタス、カブ、ニンジン、ホウレンソウなどの点播、条播に利用されている。

 ロール式は播種ロールの円周上に定間隔に設けられたくぼみ(穴)で種子を汲み上げ、回転して排出される前にブラシで一定量を計量する方式である。

 ベルト式はエンドレスベルトまたはリンクベルトを用い、そのベルトに設けられた多数の穴で計量する方式である。いずれの播種機も種子の種類、一株当たりの播種粒数、播種間隔等により各種のロールあるいはベルトが選択できるようになっている。軽便・低価格で汎用性が高いこと、能率、播種精度とも比較的高いことなどが特長である。

 また、ベルト式は種子の汲み上げ状態が目で見えることも特徴で、開発以来多くの普及を見ている。


【(2)テープ式播種機】

 あらかじめベルト式の種子封入機(シーダマシン)で、水溶性のテープに種子を封入し、リールに巻き取ったシードテープを圃場に敷設する機械(テープシーダ)で、ダイコン、ニンジン、ゴボウなどの播種に広く用いられている。

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