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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
「農協のどこが悪いのか」
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第11回 2009年09月01日
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最近とかく、「農協のどこが悪いのか」という主旨の取材を受ける。農家からかんばしくない話が漏れ出ているせいであろう。
だが、答えは「何も悪くない」につきる。
農協の3事業である、経済(購買・販売)、信用(金融)、共済(保険)のどれをとっても、よくできている。一農家が複数のメーカーからいちいち、機械や資材を仕入れるのは大変だ。農協の購買事業は便利だし、共済事業も同業他社の保険商品と比べてメリットは大きい。農産物の販売手数料にしても、自分で営業、物流、決済をやることを考えれば、かなり割安だ。様々な手続き代行をしてくれたり、融資の相談が出来る信頼のおける事業者の存在は得難いものだ。
それが悪くいわれるのはなぜだろう。
農協は農家が相互扶助のために作った組合である。そもそも組合とは独立した事業者が集う組織だ。自分の事業がうまくいかないからといって、組合が悪くいわれる筋合いはない。問題は組合の存在にあるのではなく、組合員が独立していないことにある。農家が未熟で独立性が低ければ、相互扶助の目的のために農協は機能を大きくし、職員を多く雇わざるを得ない。そう考えてみると、悪要因の8割は農家にある。いうなれば、農家は自ら、便を求めて農協機能に依存し、いわば“大きな政府”を支持してきたといえる。問題は、農協という組織を自ら肥大化させてきた農家が、いまになってその存在を儲からない言い訳に使っていることにある。
だが、答えは「何も悪くない」につきる。
農協の3事業である、経済(購買・販売)、信用(金融)、共済(保険)のどれをとっても、よくできている。一農家が複数のメーカーからいちいち、機械や資材を仕入れるのは大変だ。農協の購買事業は便利だし、共済事業も同業他社の保険商品と比べてメリットは大きい。農産物の販売手数料にしても、自分で営業、物流、決済をやることを考えれば、かなり割安だ。様々な手続き代行をしてくれたり、融資の相談が出来る信頼のおける事業者の存在は得難いものだ。
それが悪くいわれるのはなぜだろう。
農協は農家が相互扶助のために作った組合である。そもそも組合とは独立した事業者が集う組織だ。自分の事業がうまくいかないからといって、組合が悪くいわれる筋合いはない。問題は組合の存在にあるのではなく、組合員が独立していないことにある。農家が未熟で独立性が低ければ、相互扶助の目的のために農協は機能を大きくし、職員を多く雇わざるを得ない。そう考えてみると、悪要因の8割は農家にある。いうなれば、農家は自ら、便を求めて農協機能に依存し、いわば“大きな政府”を支持してきたといえる。問題は、農協という組織を自ら肥大化させてきた農家が、いまになってその存在を儲からない言い訳に使っていることにある。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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