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【農水捏造 食料自給率向上の罠】
民主党の「自給率60%トンデモ試算」と自民党の「子供だまし自給率キャンペーン」(民主党「戸別所得補償制度」徹底分析2)
- 『農業経営者』副編集長 (株)農業技術通信社 専務取締役 浅川芳裕
- 第12回 2009年09月01日
- 価格:100円
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耳触りのいい民主党の1兆円・戸別所得補償制度が、赤字農家を量産、固定化する愚策であることを前回、検証した。施政されれば、日本の農産業は衰退の一途をたどり、不労マネー1兆円をめぐるバトルロワイヤルに展開する。
民主党が1兆円を血税から拠出する大義名分は、自給率向上による食料安全保障の確立だ。「食料自給率を10年後に50%、20年後に60%とすることを目標とし、最終的な完全自給を目指す」としている。
1兆円という金額がどのような根拠を基に試算されたものか見ていこう。民主党戸別所得補償の支払い例を示した試算表は、民主党の元・ネクスト農水大臣の山田正彦氏(2007年)と篠原孝氏(06年)の両議員から出ている。篠原案には自給率との関連付けがないため、ここでは山田議員の試算と説明に基づいて解説する(山田氏のコメント引用はすべて同氏の公式ホームページから)。
「農家に1兆円を助成して日本の食料自給率を1.5倍の60%まであげる」と言い切る山田氏のプランはこうだ。現在、輸入により賄われている食用小麦529万tを自給することによって自給率10%の向上、食用大豆88万tを自給し2%向上、食用油用菜種の国内消費量237万tの7割である171万tを自給し5%の向上、飼料作物・ソバ等の増産で3%向上、これらを合わせると計20%。現在の40%にこの20%を足して60%という数字が出る。コメは現状維持だ。
この達成に必要なのが1兆円だとする。
予算の内訳は、小麦に3036億円、大豆644億円、菜種1081億円、コメ2040億円、飼料作物・ソバ等に2600億円、その他600億円で計1兆1億円。
作物別の計算根拠とその実効性を、小麦を例にあげて分析してみよう。
「小麦の自給率は1割。9割が外国産だ。現状、86万tである国産を増産し、国民が必要とする食料用(529万t)の全量を自給することとすると、食料自給率は10%アップする」(山田氏)。 10%はどう計算されたのか? カロリーベース自給率の分母となる国民一人当たりの総供給熱量(2473kcal)に占める小麦の割合は約13%だ。そのうち、国産比率が約2%(43kcal)で外国産比率が約11%。自給率の分子は国産供給熱量であるため、外国産がすべて国産におきかわれば、その分自給率がアップするというわけだ。
国産を増産するために、「小麦の生産費(平均)が10a当たり6万653円に対して、国際市場価格が10a当たり1万4170円。その差額(赤字額)の4万6483円を補償する」(同)とする。
その補償金額は「自給する食用小麦529万tを作るのに必要な面積66万haをかけて3036億円になる」という計算だ。
民主党が1兆円を血税から拠出する大義名分は、自給率向上による食料安全保障の確立だ。「食料自給率を10年後に50%、20年後に60%とすることを目標とし、最終的な完全自給を目指す」としている。
1兆円という金額がどのような根拠を基に試算されたものか見ていこう。民主党戸別所得補償の支払い例を示した試算表は、民主党の元・ネクスト農水大臣の山田正彦氏(2007年)と篠原孝氏(06年)の両議員から出ている。篠原案には自給率との関連付けがないため、ここでは山田議員の試算と説明に基づいて解説する(山田氏のコメント引用はすべて同氏の公式ホームページから)。
「農家に1兆円を助成して日本の食料自給率を1.5倍の60%まであげる」と言い切る山田氏のプランはこうだ。現在、輸入により賄われている食用小麦529万tを自給することによって自給率10%の向上、食用大豆88万tを自給し2%向上、食用油用菜種の国内消費量237万tの7割である171万tを自給し5%の向上、飼料作物・ソバ等の増産で3%向上、これらを合わせると計20%。現在の40%にこの20%を足して60%という数字が出る。コメは現状維持だ。
この達成に必要なのが1兆円だとする。
予算の内訳は、小麦に3036億円、大豆644億円、菜種1081億円、コメ2040億円、飼料作物・ソバ等に2600億円、その他600億円で計1兆1億円。
小麦自給率100%に要する金額
作物別の計算根拠とその実効性を、小麦を例にあげて分析してみよう。
「小麦の自給率は1割。9割が外国産だ。現状、86万tである国産を増産し、国民が必要とする食料用(529万t)の全量を自給することとすると、食料自給率は10%アップする」(山田氏)。 10%はどう計算されたのか? カロリーベース自給率の分母となる国民一人当たりの総供給熱量(2473kcal)に占める小麦の割合は約13%だ。そのうち、国産比率が約2%(43kcal)で外国産比率が約11%。自給率の分子は国産供給熱量であるため、外国産がすべて国産におきかわれば、その分自給率がアップするというわけだ。
国産を増産するために、「小麦の生産費(平均)が10a当たり6万653円に対して、国際市場価格が10a当たり1万4170円。その差額(赤字額)の4万6483円を補償する」(同)とする。
その補償金額は「自給する食用小麦529万tを作るのに必要な面積66万haをかけて3036億円になる」という計算だ。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
『農業経営者』副編集長
(株)農業技術通信社 専務取締役
1974年山口県生まれ。95年カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専課中退。日本とアラブ間の映像版権ビジネスを行なうJ&Aメディアネットワークを設立。97年ソニーガルフ入社、モロッコ支社でマーケッターとして勤務。2000年農業技術通信社入社、04年から『ポテカル』編集長、05年から本誌副編集長、専務取締役。著書に『日本は世界5位の農業大国』(講談社新書)、『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)。共著に『どうなる! 日本の景気』(PHP研究所)『農業で稼ぐ! 経済学』(PHP研究所)。
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