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エコファーム・アサノ 脳業発想力

爺さんから教わった在庫管理の基本

うちの畑の広さは2.5ha。人手は俺と婆さんと甥っ子、それに勉強中の若いのが2人いる。栽培する品目数はいちいち数えてねえけど、全部で100は超えているだろうね。この野菜を各地のレストランに出荷しているわけだけど、少量多品目生産ってのは、うちにとっては必要不可欠の条件なのよ。なぜかっていうと、レストランごとの食材、シェフごとの食材、料理ごとの食材ってのは同一じゃないから。もっといえば地域の客層によってもニーズは違うだろ?
 うちの畑の広さは2.5ha。人手は俺と婆さんと甥っ子、それに勉強中の若いのが2人いる。栽培する品目数はいちいち数えてねえけど、全部で100は超えているだろうね。この野菜を各地のレストランに出荷しているわけだけど、少量多品目生産ってのは、うちにとっては必要不可欠の条件なのよ。なぜかっていうと、レストランごとの食材、シェフごとの食材、料理ごとの食材ってのは同一じゃないから。もっといえば地域の客層によってもニーズは違うだろ?だって銀座の店と下町の店と、同じ料理を出して成り立つかよ。スーパーで売る画一的な野菜とは違うのよ。

 取引先のニーズがこれだけバラバラだと大変に見えるかもしれねえけど、すべての人が同じ野菜を求めるわけじゃないってことは、うまい具合にリスクが分散されていることにもなる。レストランには一度に大量には売れねえし、ただ継続的に欲しいっていうニーズだから、今以上に規模を拡大する必要もねえ。むしろうちの場合は、規模を拡大したら品目数が多すぎて管理できねえもん。

 ときには十分に供給できねえこともあるけど、人間ってのは満たされないことで願望が強くなるんだから、それはそれでいいの。あれが欲しいって言われたって、ないものはないのよ。だからうちの条件を呑めないなら取引はできないよって、最初に言っちゃうもん。よそでも手に入る品目だったら、そっちに行ってもらって構わない。ところがうちの場合は、常に何か新しいものがあったり、よそにはない商品がある。「じゃあほかの生産者をあたります」ったって、ほかにはねえんだから。しばらく発注のないレストランが久しぶりに連絡をくれるときは、「何々が欲しい」じゃくて「何か変わったのありますか?」なんだよ。

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