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【農水捏造 食料自給率向上の罠】
米戸別所得補償モデル事業の矛盾露呈、自給率向上目標で自滅する民主党農政(民主党「戸別所得補償制度」徹底分析5)
- 『農業経営者』副編集長 (株)農業技術通信社 専務取締役 浅川芳裕
- 第15回 2009年12月01日
- 価格:100円
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「食料自給率の向上政策を廃止にする」目的で始めた本連載も15回目を迎えた。そしていま、自給率国策の「終わりの始まり」がようやく始まろうとしている。
農水省は11月12日、食料自給率を1%向上させるための試算を公式に発表した。これは8月号(連載第10回)で掲載した筆者の農水省への質問に対する回答だ。この発表により、次のことが公になっていく。
1. 1%あげるのにどれだけの増産が必要か、2. 1を誘導するために税金の投入がいくら必要なのか、3.その納税負担に対し、国民にはどんな便益(メリット)があるのか、4.便益に対する負担は適切か、5.便益が低い場合、続けるか中止するか。
自給率向上を旨とする食料・農業・農村基本法制定以来、10年がたつが、これまで1の説明さえなかった。そのため、2から5までの政策評価を行なうことが不可能であった。今後は、あらゆる自給率向上事業について、国会や閣議、予算委員会、審議会などの公の場で、こうした論点が検証されることになる。その結果、これまで本連載で論証してきたとおり、便益より実害が大きいことが明らかにされていくだろう。そして、遅かれ早かれ、自給率向上を根拠にしたあらゆる政策は廃止という帰結を迎えることになる。
少なくとも、これまでのように、5000億円以上も自給率向上のために税金を利用しておいて、その効果は「食の安心度が高まると考えられる」(同省)などといった漠たる説明では済まされまい。皮肉なことに、自給率向上を錦の御旗に予算拡大を目指してきた農水省が、その終わりに向けたスタートボタンを自ら押してしまったわけだ。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
『農業経営者』副編集長
(株)農業技術通信社 専務取締役
1974年山口県生まれ。95年カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専課中退。日本とアラブ間の映像版権ビジネスを行なうJ&Aメディアネットワークを設立。97年ソニーガルフ入社、モロッコ支社でマーケッターとして勤務。2000年農業技術通信社入社、04年から『ポテカル』編集長、05年から本誌副編集長、専務取締役。著書に『日本は世界5位の農業大国』(講談社新書)、『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)。共著に『どうなる! 日本の景気』(PHP研究所)『農業で稼ぐ! 経済学』(PHP研究所)。
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