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また、韓国旅行を選ぶ理由については「韓国の食べ物を味わうため」が33.6%で最も高く、ついで「距離が近いから」(24.9%)、「ショッピングが容易」(15.2%)、「国内旅行に比べて安い」(13.5%)、「観光の名所及び見どころが多様」(4.4%)の順となっている。
OL向けの情報紙『シティリビング』(発行:サンケイリビング新聞)が590人を対象に行なったアンケート調査においても、韓国旅行の目的は「ショッピング」「エステ」「サウナ」または「ロケ地めぐり」を抑え、「韓国グルメを堪能する」ことがランキング第1位となっている。一昔前と違って、思い立ったら気軽に本場の味を楽しめることが魅力となっているようだ。
それにしても、私たちはいつの間に韓国の食にこれほどなじんでいったのだろうか。05年8月1日~10月末の日経POSではエバラ食品工業の「キムチ鍋の素」が鍋物用つゆで販売実績1位となっている。「キムチ鍋の素」が誕生する前の1998年頃から同社が販売していた「キムチ漬けの素」は、キムチだけでなくキムチ鍋を作るのにも使われ出し、品切れになるほどの売れ行きとなっていた。
食品需給センターの「食品産業動態基本調査」で漬物生産量の推移をみると、1998年頃を境に浅漬・ぬか漬が減少するのとは裏腹にキムチの生産量は急速に伸びており、02年には野菜・果物漬物の実に1/3以上となった。その後やや減少したものの、08年においても25.0%を占めており、日本の漬物の堂々第1位なのだ。
キムチの消費がここまで拡大した背景には、韓国の輸出戦略もさることながら、焼き肉チェーン店の普及が大きい。牛角FC1号店が誕生したのは97年。それまでは「安くて汚い店」か「美味しいが値段が高そうで怖くて行けない店」しかなかった焼肉業界に本格的な炭火焼肉が低価格で味わえる店を提供し、ファミリーが安心して楽しめる店として支持された。牛角だけのせいというわけではないが、新しい食が浸透するときに果たす飲食店の影響力は大きい。
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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