ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

バルカン農業だより

新たな農業モデルが胎動するバルカン諸国


 これまで半年にわたって連載してきた「バルカン農業だより」も、いよいよ最終回です。そこで今回はこれまで連載してきたことも踏まえ、より全体感を掴んでいただけるように「バルカン農業」というより大きなくくりでお話ししたいと思います。

 「バルカン」というのはご承知の通り、かつて「東欧」と呼ばれた社会主義のヨーロッパの国々に含まれています。旧ユーゴスラビア7カ国とアルバニア、ブルガリア、ルーマニアをひとまとめにした呼び方です。ハンガリーを含めるかどうかについては議論のあるところです。また、バルカン半島の最南端に位置するギリシャは、早々と西ヨーロッパの仲間入りを果たしたせいか、今の「バルカン」というコンセプトには入ってきません。

 そこでまず、東欧の農業というところからお話ししたいと思います。まず申し上げたいのは、GDP(国内総生産)に占める農業の比率です。日本や米国などの先進工業国の場合、だいたい1%くらいというのが普通です。農業国といわれるフランスでさえ2%をちょっと超えるくらいです。そこへいきますと東欧、なかでもバルカン諸国は、セルビア12%(2008年英国EIUによる統計、以下同様)、ルーマニア11・3%、マケドニア11・5%と大きな数字を示しています。東欧のなかでも工業化の進んだポーランドでさえ4・5%、チェコでも7・8%に達していることを考えると、好むと好まざるとにかかわらず、東欧諸国においては農業が依然重要産業として位置づけられていることがわかります。

 先日クロアチアに行って驚いたのですが、クロアチアにおける最大の民間企業は「アグロコール」という食品製造販売企業です。本来政府が行なうような農業融資を政府に代わってやっており、バルカン全体の重要な企業として育ってきていることは、このあたりの事情を象徴しているようにも思えました。

関連記事

powered by weblio