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坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス

さかうえ農業の使命は「Cの循環」


 カーボンサイクルという言葉をご存知だろうか。日本語に直すと炭素(C)循環。地球上の生物圏の中で行なわれる、炭素の交換のことである。 さかうえでは企業使命のひとつとして、2003年から、「Cの循環を加速化する」を掲げている。

 生物の中で炭素(C)は炭水化物などのエネルギーとして機能しており、そのエネルギーを燃焼して大気中に排出すると、酸素(O2)とつながり、二酸化炭素(CO2)になる。逆に植物はCO2と水(H2O)を取り込むことで、O2と炭水化物を作り出す。広い視野で見れば炭素が世界をめぐり、われわれ生物は生かされている。

 また有機物である炭素は燃やすと炭になり、H2Oを吸って地球の中に溜め込まれていく。そして何万年も経たものが石油になり、それが燃料に使われると、排気ガス(CO2)とH2Oになって空気中に放出される。急速な経済発展にともない、このCO2の排出量が増え続け、地球環境のバランスが急速に失われてしまっている。

 農業の出番である。農業は工業やサービス業と違い、生産活動を通して、地球環境の改善に大きく貢献できる産業だ。これからの時代、農業生産のプロは、いかにCO2を多く吸収し、どれだけ効率的にCを循環させられるかの力量が試されるようになる。未来のために持続可能な環境づくりにどれだけ貢献できるかが腕の見せ所だ。


農業の価値観を高める

 この考えに至ったのは、03年の牧草飼料事業を始めたころだ。以前から、肥料や農薬を大量に使用し、メタンを発生させる農業は、地球温暖化を促進しているのではないかと憂慮していた。

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