ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

春以降に売り込みたい野菜類、ソラマメ、セルリー、ニガウリ、ニラ

今年の野菜販売における本当の勝負は春以降で、消費も徐々に回復基調に向かっていくだろうと前号で予測した。生産が増えている軽量野菜を中心に、一転して売れ筋商品が登場する局面も期待できるが、すでに定番化している野菜類にも面白い動きをしているものや、もっと売り込めるものがある。消費者の野菜消費が減退傾向にある、と喧伝しているのは農水省だけで、国民栄養調査によると、野菜消費は意外に堅調なのだ。硬直した品揃えでジリ貧化している大手スーパーを尻目に、ローカルスーパーなどの多くが、市場相場に連動した安売りや量販を仕掛けようとしている動きに注目だ。

ソラマメ 鹿児島中心に出荷減の傾向。常識くつがえし秋まで消費誘導を

【概況】

東京市場のソラマメは、03年に6700t入荷していたものが、09年は4700tと激減状態にある。年末から3月までは、早出し豆類の大産地である鹿児島が圧倒的なシェアを持つ。春の最盛期は、関東では千葉と茨城から、四国では愛媛からの入荷が大きなピークを形成するが、6月は青森と秋田が中心となる。動きがほとんどないように見える夏から秋にかけても、実は北海道から細々と入荷されている。

【背景】

入荷増減のイニシアチブを握っているのは半分近いシェアを占める鹿児島だが、なぜか近年、そのほかの産地でも減少傾向が見える。年末年始にかけては季節を先取りする料理屋などの需要が中心で、一般に普及するには単価が高すぎる。一方、5月にピークを迎えて6月以降に激減するのは、ソラマメに代わってエダマメが本番を迎えるため、店頭で「売れなくなる」からだという。秋まで出荷しているのは北海道だけだ。

【今後の対応】

ほぼ周年にわたって入荷があるものの、一般消費者にとっての旬は初夏であり、ほかのシーズンは業務用需要しかない、というイメージが定着している。かつてはエダマメも、旬は6月からせいぜい8月いっぱいといわれてきたが、いまや10月頃まで東北から出荷されてくる。出回りさえすれば、消費者はなんの疑問もなく買ってくれるものだ。それと同じことがソラマメでもいえるのではないだろうか。産地も自信を持つべきだ。

関連記事

powered by weblio