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あの木内さんも勢いを認める中国を再考してみる
「我を通す」と「信念を貫く」――。この言葉の違いを改めて理解する機会があった。農業経営者読者の会全国大会の会場で、本誌にコラム連載中の(農)和郷園の木内博一さんも中国の発展の勢いはすごい、と発言された。そしてある方が質問をした。「中国人はすぐライバル会社に転職したりして、信頼できないと聞きますがどうなのでしょうか?」。
木内さんはご本人のコラム“和のマネジメントと郷の精神”を利かせ、その質問にこう答えた。「一番危ないのは中国人ではなく、日本人です」。つまり中国の現地法人を立ち上げ、現場の仕事を行なう中国人と、お金を扱うマネージャー的な存在の日本人では、明らかに後者が危険であると私は解釈した。
ご本人は覚えていないと思うが、2005年1月26日に北海道の野菜農家と和郷園を訪れ、木内さんの娘さんの名前が書いてある野菜加工工場などを視察し、帰り際に木内さんが白いAMG(記憶が正しければ)のスモークのかかった左ウインドウを開け「北海道からご苦労さまです」と挨拶を交わしたことがある。で、再びウインドウが閉まると、堅いサスペンションのはずのAMGが5cmほど後部車体を下げるくらい加速して走り出したが、さすがトラクション・コントロールが利いていたのか、タイヤからスモークが出ることはなかった。その華麗な走りを見て「お主、昔やっていたな」という直感は外れていなかった様だ。
今回はちょっと視点を変えて中国を斜めに見ることにする。「香港は香港人が頑張ったから発展したのです」。香港出身の往年のアイドル、アグネス・チャンが以前TVでこう力説していた。これは1997年に英国から中国に領土・主権・国民が返却された時の話で、「なぜ香港はあれほど発展したのですか?」の問いに対するものだった。では、ポルトガルが支配したマカオの繁栄も中国人だけが努力した結果だと言うのか?
誰もが郷土を愛するのは当たり前であるが、香港は誰が考えても英国の影響力が99年間存在したからであって、中国人だけの努力、ではなかったのは歴史的な事実である。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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