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【自分の経営を客観的に診断する】
法人化で節税、社会保険を装備
- 森剛一
- 第4回 1994年12月01日
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今回、経営診断を行ったのは、関東地方で花き園芸を営むC農園です。約九haの農地で園芸作物を栽培し、切り花、切り葉、観葉鉢物として出荷しているのをはじめ、球根や造園樹木を生産・販売しています。また、他の農業者が生産した園芸品の仕入・販売も行っています。
C農園の従事者は経営者本人、弟、父、妻、および常時雇用者二人、このほか季節により臨時で三~五人程度を雇用しています。
九haの農地のうち、六・九haが自作地で、さらにそのうちの五・八haは、経営規模の拡大に伴ってC農園の経営者本人またはその弟の名義で購入したものです。また、農地の約二haはパイプハウスであり、施設園芸を中心とした経営です。九haの規模は、C農園の地域のみならず、全国的にも大規模な経営といってよいでしょう。
貸借対照表分析
C農園の貸借対照表を見て、まず第一に気づくのは、その経営規模の大きさです。総資産の合計が一億四〇〇〇万円ほどで、会社の資本金に相当する元入金が五〇〇〇万円を超えています。
流動比率は六四・九%、当座比率は二九・四%となっており、数字を見る限り財務安全性は高いとはいえません。しかし、個別に貸借対照表の内容を検討してみると、流動負債の四九〇七万三〇〇〇円のうち三〇〇〇万円は前受金であり、これは近い将来に売上となって解消されることが確実なものです。
売上の急増に対応して生産や販売を拡大する際には、これに伴って仕入や経費など、資金の流出が増加します。このため、流動負債が膨らみ、一時的に財務内容が悪化します。このようなときには資金繰りが苦しくなるのですが、C農園の場合、販売先から前受金として資金を調達することにより、この問題を上手に解決しています。
C農園の従事者は経営者本人、弟、父、妻、および常時雇用者二人、このほか季節により臨時で三~五人程度を雇用しています。
九haの農地のうち、六・九haが自作地で、さらにそのうちの五・八haは、経営規模の拡大に伴ってC農園の経営者本人またはその弟の名義で購入したものです。また、農地の約二haはパイプハウスであり、施設園芸を中心とした経営です。九haの規模は、C農園の地域のみならず、全国的にも大規模な経営といってよいでしょう。
貸借対照表分析
健全な資金調達と土地への投下資本処理
C農園の貸借対照表を見て、まず第一に気づくのは、その経営規模の大きさです。総資産の合計が一億四〇〇〇万円ほどで、会社の資本金に相当する元入金が五〇〇〇万円を超えています。
流動比率は六四・九%、当座比率は二九・四%となっており、数字を見る限り財務安全性は高いとはいえません。しかし、個別に貸借対照表の内容を検討してみると、流動負債の四九〇七万三〇〇〇円のうち三〇〇〇万円は前受金であり、これは近い将来に売上となって解消されることが確実なものです。
売上の急増に対応して生産や販売を拡大する際には、これに伴って仕入や経費など、資金の流出が増加します。このため、流動負債が膨らみ、一時的に財務内容が悪化します。このようなときには資金繰りが苦しくなるのですが、C農園の場合、販売先から前受金として資金を調達することにより、この問題を上手に解決しています。
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