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坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス

経営者団体に加入してみよう

前号の「家庭教師を使ってみよう」が経営を“楽にする”テクニックだとすれば、今回のお題目は経営を“もっと楽しくする”チャンスだととらえていただきたい。私は日々、「仕事がこんなに楽しくていいのか」と感じながら経営をしている。知り合いのオーナー経営者たちも、「世の中に中小企業の経営ほど面白い仕事はない」と口々に語る。

 前号の「家庭教師を使ってみよう」が経営を“楽にする”テクニックだとすれば、今回のお題目は経営を“もっと楽しくする”チャンスだととらえていただきたい。

 私は日々、「仕事がこんなに楽しくていいのか」と感じながら経営をしている。知り合いのオーナー経営者たちも、「世の中に中小企業の経営ほど面白い仕事はない」と口々に語る。


1000万人超の経営者同志

 我われ中小事業者の経営者の醍醐味は何と言っても、“無から有を自由に創造できる”ことだ。規模は小さくとも、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を駆使して、世の中に役立つモノやサービスを一つひとつ具現化していける最高のポジションにある。大企業だと同じ経営者でも様々な制約もあるだろうし、雇われ社長ならなおさらそうだろう。

 日本には約430万社の中小企業があり、商店、飲食店、開業医などの個人事業主が約600万人いる。つまり、中小零細事業者の経営者が1000万人以上いる。農家・農業法人もその一部だ。

 こうした1000万人もの経営者がたくさんの失敗、成功を繰り返しながら、ありとあらゆる分野で社会に貢献している。1000万人の経営者は千差万別だが、ひとつだけ共通することがある。「経営をよくしたい」と考えている点だ。少なくとも「もっとよくなればいいな」とは願っているはずだし、どれだけネガティブな人でも「もっと悪くなりたい」と思っている人は皆無だろう。

 当たり前の話に聞こえるが、これはとても重要な事実だ。世の中を見渡せば、この共通点を持つオーナー経営者の仲間達が無数にいるということだ。そして、「経営をよくしたい」という同じ志を持つ経営者が集う団体も、全国に無数にある。

 私自身、家業をある程度まで成長させた後、ある種の達成感とひきかえに、経営の方向性が見えずに悩んだことがあった。今から考えれば、経営を“大きくする”ことには必死だったが、“よくする”ために何をすべきか視界が不明瞭になっていたのだ。そんな時期に、同じ農業法人の経営者に勧められて入会したのが「中小企業家同友会」(以下、同友会)だ。

 2007年に入会し、最初に参加したのが経営指針セミナーだった。経営者の仲間たちと一緒に、経営指針の成文化に取り組んだ。いま振り返れば、家業から企業への転換をしなければならなったその時期に、何百時間もかけて作った経営指針書はまさに私の羅針盤となり、同友会で巡り合った経営者の先輩たちは私の道標を示してくださった。

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