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今年の市場相場を読む

業務用需要を占う野菜類、サラダナ、パセリ、エシャレット、アーリレッド

日本経済は一昨年のリーマンショック以降、とりわけ景気が沈滞した。バブル経済崩壊以来、長きにわたって経済の浮上が試みられ、ようやく景気回復の兆しが現れてきた時期にリーマンショックだ。病後の回復期に強烈なアッパーカットをもらったようなもので、いったんは瀕死状態に陥った。そんな経済状況と密接な相関関係を持つのが野菜の業務用需要であり、昨今の景気動向とそのまま連動している。ここにきて、ようやく経済も一部に回復基調が見え始めたといわれるが、その影響は業務用野菜類の流通動向にどう現れているのだろうか。今回は光明の見えそうな品目に注目してみよう。

サラダナ 09年まで減少の一途。今年に入り3割以上の単価高推移

【概況】

東京市場のサラダナは、92年までのバブル期に比べて、現在は3割以上の入荷減であり、単価も3割近く安くなっている。約半分のシェアを占める千葉が主産地で、静岡と福岡が周年供給している。年間を通じて入荷はコンスタントだが、春から夏にかけてピークがある。月別の単価の差は、単価の安い千葉産が多いか、単価が高い福岡産が多いかによる。少なくとも09年までは入荷減かつ単価安の一本調子だ。

【背景】

業務用のサラダナは、ほぼ料理の飾りでしかなく、レタスと容易に代替する。一般家庭での定着もなく、サラダナでなくてはならない料理もない。安ければ買われるが、高かったら無理して買う必要がない品目なのだ。入荷動向と単価のあり方を見ると、サラダナの不安定な地位が如実に現れている。ただし今年の1月から6月までの入荷動向を見ると、入荷量は前年並みながら、単価は前年の同時期に比べて3割も高い。この現象をどう見るか。

【今後の対応】

今年のこれまでの入荷動向は、近年で最も高かった04年の推移よりさらに高値である。例年単価が安い夏場にどうなるかは予測できないが、この動きは業務用需要がようやく回復基調になってきた、と見ても差し支えないだろう。問題は前半の高値推移から秋以降の出荷が増えることと、それを買い支える需要がどこまでしっかりしているかだ。出荷を予定している産地は、あまり欲張らずに、夏以降の推移をしっかり見守りたい。

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