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【オカルト農法探検隊】
発育診断技術 その12
- 後藤芳宏
- 第73回 2010年07月30日
- 価格:100円
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発育診断の精度を高める!!
前回ご紹介した図式の中で、N(有機態窒素)、n(無機態窒素)、C(炭水化物の総量)のほかに、P(リン)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)についての表記が唐突に登場し、困惑された方もいたかと思います。「栄養週期理論(以下、栄週)」の発育診断の場合、N、n、Cの状態を把握すれば作物全体の50~60%の発育実態をつかむことが可能ですが、より高い精度を求める場合は、前回ご紹介した図式によるN、n、CとP、K、Caとのバランスを診断します。
P、K、Caの数値を測定する方法は、N値やC値を測定する時の手順と基本的には同じですが、専用の試薬や測定機器などを入手する必要があります。または五感の官能評価による手法も有効です。各部位の観察、茎の太さや硬さ、葉の形状、厚み、色沢などからP、K、Caの吸収状態を把握することが可能です。
栄養素=肥料ではない!?
P、K、Caあるいはほかの栄養素の発育診断を行なう際に注意してほしいことがあります。それは栄週の場合には「栄養素」=「肥料」のことではないということです。
まず「栄養素」を栄週的に定義すれば、作物の身体を構成している各元素のことを意味します。それを前提にすると、例えば炭素、水素、酸素は、作物の身体にとって必須の構成元素であり栄養素です。しかし、炭素、水素、酸素は、基本的には「肥料」には分類しません。
また、栄週では日本の土壌肥料学で定義している肥料の「必須栄養素」と「微量栄養素」の区分はありません。例えばホウ素、マンガン、銅は、日本の土壌肥料学では「微量栄養素」に定義されていますが、作物が完全な発育をするために、それらの元素が必要不可欠ならば、栄週的にはそれらの元素も「必須栄養素」として包括すべきと考えます。
それから、多くの方が「栄養素」=「肥料」=「不足なく与えるべき」と短絡的に連想しがちですが、この考え方は要注意です。この考え方でも作物が何の問題もなく発育する場合はあります。しかし、それで利益を最大化できているかについて、チェックしてみてほしいのです。
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後藤芳宏 ゴトウヨシヒロ
1966年東京都生まれ。(株)椿本チェイン、パイオニア・ハイブレッド・ジャパン(株)、(株)農業技術通信社の副編集長、衆参国会議員の政策担当秘書などを経て「農援隊」を設立。「栄養週期理論」提唱者の大井上康氏の絶版書『家庭菜園の実際』『大井上康講演録』の復刻を行なう。
オカルト農法探検隊
この連載は、農業の生産現場で起こる不可思議な現象を、「科学的に解明できなくても、農業経営に役立てばいいじゃないか!」と開き直ってレポートするものです。筆者には科学的な専門知識などがありません。悪意はなくても早合点、迷走、脱線、曲解などがあるかもしれませんが、悪しからずご了承ください。タイトルの“オカルト”という言葉には“カルト教団”などの怪しいイメージがありますが、語源的には「覆い隠された秘儀」あるいは「無知ゆえに理解できない」という意味があります。書かれてある内容を信じる必要はありませんが、楽しんで読んでいただき、農業経営に役立てていただければ本望です。自分も一緒に探検したい、実験に協力したいという方は大歓迎です!ご一報をお待ちしています。
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