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長男の一智もほぼ同じ見方をしている。
「うちは農産物の登録検査機関にもなっているし、玄米の時点で付加価値をつけて売れるのなら、敢えて白米で勝負する必要はないと思っています。『餅は餅屋』という言葉がありますが、加工や販売はその道のプロに任せればいい。私は生産にこだわりたいと思っています」
テーブルをはさんだ向こう側で、境谷は一智の話を聞いているのかいないのか、ときおり雨に煙る窓の外を眺めている。かつて境谷の父もそんなふうに息子の成長を静かに見守っていたのかもしれない。
農業を通じた世代間の共生、そして地域との共生、機械との共生。境谷の経営には、共生というキーワードがよく似合う気がした。
(本文中敬称略)
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境谷博顕 サカイヤヒロアキ
(有)豊心ファーム
代表取締役
さかいや・ひろあき●1950年、青森県五所川原市生まれ。1975年、父から7.4haの水田を経営移譲される。農業一本で食べていくために農地の購入や借入による面積の拡大を図るとともに、農作業の受託による大規模経営を目指す。水稲33ha、大豆45ha、麦6haのほか、作業受託された圃場を合わせると管理面積は延べ254haに及ぶ。1998年、(有)豊心ファームを設立。妻と2人の息子、長男の嫁の5人のほか、通年雇用の2人をスタッフとして大規模経営に取り組んでいる。 http://www.housin.co.jp/
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