ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

新・農業経営者ルポ

大規模経営を通して、地域と世代間の共生を図る


 長男の一智もほぼ同じ見方をしている。

 「うちは農産物の登録検査機関にもなっているし、玄米の時点で付加価値をつけて売れるのなら、敢えて白米で勝負する必要はないと思っています。『餅は餅屋』という言葉がありますが、加工や販売はその道のプロに任せればいい。私は生産にこだわりたいと思っています」

 テーブルをはさんだ向こう側で、境谷は一智の話を聞いているのかいないのか、ときおり雨に煙る窓の外を眺めている。かつて境谷の父もそんなふうに息子の成長を静かに見守っていたのかもしれない。

 農業を通じた世代間の共生、そして地域との共生、機械との共生。境谷の経営には、共生というキーワードがよく似合う気がした。

(本文中敬称略)

関連記事

powered by weblio