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特別レポート

「農業を元気に! 地域を元気に! ニッポンを元気に!」を宣言 A−1グランプリ2011 記者会見レポート

昨年、好評のうちに終わった農業ビジネスプランコンテスト「A─1グランプリ」。第2回をむかえる同大会の概要が8月19日に開かれた記者会見の場で明らかになった。前大会では本誌購読者に限定されていた応募資格が一切不問になり、さらに全国5カ所における地方予選の後、決勝大会を東京で開催するなど、大会の規模が大幅にスケールアップ。その意義について、大会実行委員長・昆吉則は、「農業は制度改革以上に国民や企業人の意識が変わる必要がある。だから単なる農業界内のイベントで終わらせず、業種を超えた人に参加してもらって、世間に向けてアピールしたい」と語った。


 昨年、好評のうちに終わった農業ビジネスプランコンテスト「A─1グランプリ」。第2回をむかえる同大会の概要が8月19日に開かれた記者会見の場で明らかになった。前大会では本誌購読者に限定されていた応募資格が一切不問になり、さらに全国5カ所における地方予選の後、決勝大会を東京で開催するなど、大会の規模が大幅にスケールアップ。その意義について、大会実行委員長・昆吉則は、「農業は制度改革以上に国民や企業人の意識が変わる必要がある。だから単なる農業界内のイベントで終わらせず、業種を超えた人に参加してもらって、世間に向けてアピールしたい」と語った。

 審査基準は「応援したくなる発表者の人的資質」「地域の活性化・変化を促進できる事業計画」「事業の創造性や実現性など」で、大会の狙いである「元気の根源である農業が活性化すれば、停滞している日本が地方から元気になっていく」には各業界の著名人が賛同。2010年8月現在で実行委員として10名が名を連ねており、今後も増員の予定。

 「政でも官でもなく、民こそがニッポンを変える」(昆実委員長)と意気込むA─1グランプリの決勝大会は来年7月。その行方に熱い眼差しが集まっている。


農業を変革する開拓者たちへ 実行委員・選考委員からのメッセージ

・選考委員長 大泉一貫氏 宮城大学 副学長
 これまでの農業は、農家は単なる業主で、国家がその面倒を見るというフレームが続いてきた。そのため、管理も成り行きで、経営感覚が定着していない。もはやそのような制度が疲労していることは明白だ。これからは参入自由化や連携軸構築の仕組みを作る「オープンアグリ構想」導入のような農政制度改革が必要である。

 そのためには国が決めないと前に進まないし、よりよくするには民の知恵がもっと入り込まなければならない。社会を変えて行くのは、我々のアイデアやノウハウなのである。


・実行委員 緒方知行氏(株)オフィス2020新社
 私の専門である流通の分野では、現在、メーカーと小売が業務提携する「製販同盟」が進んでいる。しかし第一次産業ではどうか。農業者はもっとマーケティングして、市場に即したニーズを理解していかなければならない。そうすれば「消費者が欲しくなるものを、どう供給させるか」について考えるようになっていくだろう。

 そして補助から自助へシフトさせようと意識している農業者には、チャンスがたくさんあるはずだ。A-1グランプリに期待している。


・実行委員 荻原昌真氏 (有)信州ファーム荻原 農場長 全国農業青年クラブ連絡協議会 前会長
 農業が疲弊していると言われる中、情熱をもって取り組んでいる若手農家がいることを世間に知らせたくて、雑誌『Agrizm』を立ち上げた。創刊から1年。若い農業者は情熱、アイデアを持って今も取り組んでいるが、それでもチャンスや資本に欠ける部分がある。だから我々は、年齢や農業経験に関係なく、感性で勝負できるA-1グランプリのような場が誕生することを待っていた。若手から有望な人材が輩出されるチャンスだと思うだけで、胸が高鳴ってくる。若い農業者はぜひ意欲的にチャレンジしてほしい。


・実行委員 草刈隆郎氏 日本郵船株式会社 相談役
 農業について、私は素人だ。しかし行政改革の仕事を7年半も経験して、農業が危機的状況にあることはよく知っている。1960年から農家の戸数は半分、農業者の数は4分の1にまで減った。そして耕地面積も減って、高齢化も進行している。このままただ模索していれば日本が“無農”国家になることは間違いなく、官に任しておくような状態ではない。このような時代に開催されるA-1グランプリには民間の知恵とエネルギーがぶつかって、農業再生の場になることを望んでいる。


・実行委員 橋本大二郎氏 前高知県知事
 私が県知事を務めていた高知県は、野菜作りが盛んな県だ。しかし流通面ではバイイングのパワーに抵抗できていないなど、見通しが立ちにくい現状があり、生産者はさまざまな問題を抱えていた。農水省は一旦解体して地方に権限を移し、システムを考え直さなければいけないと私は思う。そして新しく構築されたシステムの中で、新しい試みをしていくべきなのだ。だから地方を活性化させようというA-1グランプリの試みに対して、私は非常にワクワクしている。ぜひ多くの人々に見てもらいたい。

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