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今年の市場相場を読む

猛暑の夏のスタミナ野菜類 ニンニク、オクラ、ニガウリ、ニラ

この夏は猛暑である。消費者も夏バテ気味であるが、一方で野菜生産も一連の天候異常によって生育にダメージが出ており、市場相場も暴騰気味だ。 夏場には、体力をつけるためにスタミナ野菜類の消費が活発化するものだが、今年の場合は高値である。入荷が少ないためなのか、需要が旺盛なのかは判断が難しいものの、夏には夏の野菜を常に強気で売っていくことが必要だ。また、必ずしも夏が生産のピークではない品目でも、“夏向き野菜”としてアピールしたいものもある。 何もせずとも高値販売が約束されていることに油断してはならない。

ニンニク 今夏は国産の不作で高騰。輸入品を敬遠する需要に安定供給を

【概況】

東京市場のニンニクは、かつて年間入荷量が7000t程度あったが、中国産の激減によって08年には5000tを割り込んだ。平均単価が430円から08年に700円以上に高騰したことから国産が増産し、09年には5%ほど入荷が増えて価格高騰は沈静化した。春から出回りが増えてくるが、夏に極端なピークを形成しているわけではない。中国産は一時減ったが、07年以降の入荷量はほぼ一定で、シェアは53%ある。

【背景】

ニンニクといえばスタミナ野菜の代表格だが、その消費形態から見ると、冬場にも需要は多く、とりわけ夏バテ対策の野菜というわけではない。しかし今年の場合は、本来増えるべき春に入荷が少なく、需要期である7月に至っては前年同月より15%も減少し、キロ単価は43%も高くなった。この強い引きは業務用需要が先導しているものだが、この需要に対して中国産で対応できる部分は限られており、国産の出荷減が大きく響いた。

【今後の対応】

国産の不作は春先からの天候不順によるものだが、ここ2~3年、全国各地で新規の産地を含めてニンニクの増産意欲は強い。中国産の需要は、加工仕向けと一部の業務用に限定されつつあり、今年の夏のように国産の入荷が減ると、途端に高騰する構造になっている。中国産の需要をどう代替していくかが、国産ニンニクの課題だ。キロ単価が200円でも採算の合う栽培法や商品開発が待たれる。

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