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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
豊かであること、豊かになること
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第35回 2011年02月01日
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ワーホリ娘から聞いたスイスの農業
昨年、トマム・スキーリゾートで有名な北海道・占冠出身の伊藤志織(本誌10年11月号リーダーズスクエア掲載)が働いていたが、彼女からは多くのことを学んだ。彼女は大学卒業後、ニュージーランドに半年、その後ワーキング・ホリーデー(以後ワーホリ)の制度を使い、数回スイスと日本を行き来する生活をしている。簡単に書けばそれだけのことだが、使われているそれぞれの単語には深い意味がありそうだ。
まずワーホリについて、協会では「観光ビザ、留学ビザ、就労ビザとは異なり若者向けの特別な渡航のためのもの」とある。極端な考え方をすれば、現地に着いてから行きあたりバッタリの生活を過ごすことが出来ますよ、ということなのか。
自分もそうだったが、現地到着後、金髪・ブルーアイと、どのような出会いがあるのか、頭の中が心穏やかでは決してあり得ない日々を過ごすことや、後先考えずにやりたいことができるのが青春なのだろう。
しかし最近のワーホリ経験者たちから聞くと、ほとんどは渡航前にある程度の生活手段を考えていて、現地到着後、路頭に迷うことはないそうだ。そして協会のホームページにはワーホリ参加者が「用意したお金は所持金、送金合わせて121万にアルバイト収入43万の合計164万円が平均」とある。日本はとりあえず金銭的には豊かな国である証明だ。受け入れ国にしても貧しい国よりも豊かな国の若者が来てくれた方が良いのかもしれない。考え方を変えればポケットになけなしのドルを忍ばせ、現地に到着後、一旗あげようなんて考える者が少なくなったのだろう。
一度このワーホリで行くと、また行きたくなる若者が多いのも事実のようだ。つまりワーホリで本当のワーホリ(ワーキング・ホリック、中毒)になるのか? この制度では一生に一度その対象国に行けるとあるが、やはり世の中にはこの制度を最大限利用できる裏技もあるようだ。たとえば一度ドイツに行き、日本に帰るがもう一度ドイツに行ってみたいと考えても、この制度は利用できない。そこでドイツ以外のフランスなどのヨーロッパ・シェンゲンビザ加盟国に入国後ドイツに行っちゃえば、もちろん違法ではあるが、受け入れ側さえOKであれば、再びドイツの金髪・ブルーアイに出会うことが出来る。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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