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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

「風評被害」には独立系農家連合で対抗せよ

未曾有の状況下、我われ農業者は迫りくる危機にどう対処すべきか。被災地への支援対策をつづけながら、この災厄を己が乗り切るための手筈に取り掛からなければならない。関東・東北地方の独立系事業者はただちに地域内で連合会を結成することだ。要望を取りまとめ、情報の集約、発信に腐心せよ。

 今回の震災で被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げる。

 東北の直接的な被災地の様子とは次元の違う問題ではあるが、和郷園が拠点とする千葉県香取市でも、農地の液状化、ハウスの被害、ホウレンソウなど野菜の出荷自粛など、次々と震災の波が押し寄せている。この原稿を書いている3月31日時点も、暫定値を超える放射性物質がJA香取で確認されたばかりだ。予断を許さない状況が続いている。

 千葉県においても直接的な被災地は厳しい事態にある。

 地震当日、全壊・半壊した家屋は1000軒、避難所で夜を越した県民は1500人を超えた。とくに隣の旭市がその被害の大部分を占めた。生死の問題だ。

 和郷園グループの組合員や関係者については、不幸中の幸いで当日のうちに、全員の安否確認ができた。

 すぐさま災害支援組織を社内に設置。各部署から1、2名の有志と私、副代表の向後を責任者として、6名のチームを結成した。

 われわれにできることは何か。みなで協議した結果、3つの活動に集約することにした。


3つの支援活動に集約

 第一に地元の被災者支援。第二に福島県をはじめとした東北の大被災地の支援。最後に、千葉県の農業界にとって情報集約・発信機能となることだ。

 未曾有の状況下、中小企業の独自支援といっても限界がある。個別に判断しても、情報が錯綜するなか、何が一番いま本当に必要か正確な対応はとれない。そこで第一、二の活動については、千葉県と福島と宮城、岩手県の震災対策本部に連絡をとり、ボランティア団体として登録、本部からの指示・命令に従うことにした。

 県内外から震災の翌日には、2、3000人のボランティアが被災地に続々と集結しはじめていた。当社に割り当てられた任務は、ボランティアの皆さんを乗せて「旭市ボランティア・センター」と倒壊した家屋の間を往復する輸送サービスであった。センターには車両2台とドライバー2人を提供できる、と事前に登録していたからだ。私と向後は、地震発生後から10日間ほど、ひたすら送迎任務にあたった。

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