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イベントレポート

第4回ボトムプラウ有機物循環農法体験記受賞作品発表

去る一二月一七日、スガノ農機(株)主催による恒例の「ボトムプラウ有機物循環農法体験記」授賞式が、同社の本社事務所講堂(茨城県稲敷郡)で行なわれた。この体験記は、毎年四月~一〇月にかけて一般公募されるもので、毎回全国各地からそれぞれの経営哲学に基づく実証体験記が数多く寄せられている。審査には、本誌でもおなじみの村井信仁氏(社)北海道農業機械工業会専務理事はじめ、スガノ農機トップと小誌編集長が当たり、文章よりも内容に重点を置いて選考を進めた。ここでは受賞者のみなさんと作品のほんの一部を紹介する。なお同社では希望者に受賞作品集を無料で配布している。(文中敬称略)
最優秀賞 良質粗飼料生産の基本「土」
鹿児島県鹿屋市 上松百合子


 私の住む鹿屋市は鹿児島県の大隅半島の中央部にあり、高隈連山の裾野に広がる畑作台地 (畑率七七%)から成っています。

(中略)

 私白身、ほとんどの機械作業は行いましたが、初めてプラウを使ったときは、今まで昧わったことのない感動がありました。鮮やかに起こされた土を見たときは、自分の全身までもが甦ったような気持ちになったのが不思議です。それ以来、農作業の中では作物を作る前の土づくりが一番大切な仕事になり、白‥然のサイクルをうまく利用するのが農業であると教えられたような気がします。今は、良質の粗飼料を作るためにも基本である「土」にそれだけのことをしてあげなければと思っています。

(中略)

 昨年のような冷夏、長雨、口照不足の年でも二上二割程度の減収でしたが、今年は逆に気象条件に恵まれたこともあり、平年は一〇アール当り五~六トンの収量ですが、今年は一〇トンという今までにない増収でした。

(中略)

 酪農の場合は、粗飼料の生産量や質の違いによって、個々の経営に大きな差として表われます。搾乳牛一頭当りの乳量が地域平均の八六七二キロに対し、私の家では九七五二キロであり、年々所得率も高くなってきました。プラウの効果が十分出てきたと思います。

(中略)

 基本的には土・草・牛が土台であり、これらは物質的循環で草地から草を牛が食べて牛の糞尿を草地に還元する。この物質的循環は自然の鉄則であり、このバランスが崩れると経営が回らないし、自然環境などの汚染につながっていくことになります。

 これからはごまかしの通じない時代であり、スタイルがどうであれ、土・草・牛の上に立っているのが農業だと思います。

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