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北海道の農業機械で経営効率を高める

(株)石村鉄工の“非駆動型砕土・整地機”

大規模化の進む北海道農業。そこで使われる機械はまた大型である。広い大地で活躍する機械群は府県ではなかなか見かけることがない。しかしながら、府県で北海道型の経営を志向する場合には大いに検討の余地があるといえる。本連載の初回では(株)石村鉄工を取り上げる。脱ロータリーハローの同社が扱うのは非駆動型砕土・整地機である。取材・文/永井佳史

高能率でローコスト脱ロータリーの機械体系

 府県の農業経営者は、経営面積が拡大し、保有機械の処理能力を超えると、次なる機械の導入を考える。この際、それまでの延長線上で判断するか、それともまったく異なる作業体系を選択するかで、その後の展開は大きく変わってくる。

 砕土・整地機を例に挙げたい。作業幅が150cmのロータリーハローを300cmのものに更新すれば作業能率は2倍になる。それでも、時速2kmの作業速度に変化はなく、作業能率にしても1haをこなすのに2時間半かかる。では、作業幅が同じ300cmで非駆動型砕土・整地機とも表現できるスプリングタインカルチベーターの場合はどうだろうか。驚くことに、作業速度は時速10kmとなり、作業能率も飛躍的に伸びてわずか30分で1haを済ませられる。

 強制駆動のロータリーハローと違い、土壌を見れば粗さが残る。とはいえ、それはどこでも使われているロータリーハローとの比較である。周囲と技術力を競い合うなか、見た目の美しさにこだわるあまり、度重なる作業が過砕土につながり、耕盤層を発生させていたことは否めない。それによって透水性や通気性、保水性を悪化させていた。そこまで細かく土壌を砕く必要があるのかという疑問も残る。

 北海道美瑛町にある(株)石村鉄工では、スプリングタインカルチベーターを「ヘビー・カルチ」なる名称で販売している。このへビー・カルチは、フレームとバネ鋼を用いたタインだけの簡易な構造で耐久性が高く、硬い耕地や石の多いところでも安全ボルトなしで作業できるという特徴がある。団粒構造も壊さず、ウイングを取り付けたタインで土壌の物理性を適正な状態へと導くことも可能である。

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