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特集

ビジネスモデルの根っこにある夢、情熱、そして志 誌上ダイジェスト公開! A-1グランプリ2011入賞者のビジネスプラン



A-1グランプリ2011 Finalist

「たいちゃん農業」
(株)阿蘇たいちゃん農場 田中泰次郎(熊本県阿蘇市/中国・四国・九州エリア代表)

■ビジネスプラン概要 コメ生産者。地元、阿蘇で誰でも働けるという雇用体制を掲げ、健常者だけでなく、障害者も同じスタッフとして働いている。栽培方法を変えて、様々な価格帯の商品を持つだけでなく、自社で採れたコメをプラスチックに変えて、米袋まで自社の米を使うというこだわりも持っている。

■ポイント&ヒント 農業経営者としての経営の資質はもとより、お客に合わせて価格帯変えた商品作り、自社の米を原料とする米袋など、自社ブランドのこだわりは単にコストを安くする方法よりもお客様のファン作りに重視している点を評価。銀座の産直ショップにも出店を行なっている。

【このビジネスプランを実現したい理由】

 本格的に農業に取組むきっかけとなったのは、10年前に私自身が新規就農したことによります。それまでは、外食産業を経営していましたが、「安心安全な食」を自分で実現したいという夢を抱いて阿蘇へ。しかし、実際に農作業を経験してみると、1年間で心身共に疲労してしまいました。そこで、経営者としての経験を活かす農業の有り方として、若者達を雇用する形態を選択しました。すると、引きこもりなどで心の病を抱えた若者を預かって欲しいといった依頼が舞い込むようになり、実際に1年程の農作業体験によって心が癒されたり、アルコール中毒から立ち直ったりするといったケースもあります。

 集落営農組合設立時、「こだわりの農産物作り、地域を守る」意味で、非農家の若者に安定的な収入を確保し、福利厚生を充実させました。地域のベテランを雇用し、若者の指導者として現在も活躍して頂いています。

 農業には知的障智者に雇用の場を提供する可能性があると強く感じます。例えば、無農薬農業にあっては「草取り」という作業が非常に大事である。しかし、このような地味で根気の要る作業を誰もがやるかというとそうはいかない。健常者では1時間ともたないかもしれないが、彼らは真面目に根気強く、1日でも除草作業をやってくれる。これはまさに彼らの能力なのである。知的障害者の雇用とは、このような彼らの能力を認めてあげるところから始まるのではないだろうか。

 阿蘇たいちゃん農場には、若者がいる、女性がいる、高齢者がいる、障害者もいる。大切なのは、それぞれの個性や能力を認めた上で、それぞれの居場所を作ることなのではないか。また、農業という仕事にはそんな様々な人々が居場所を見けることのできる場にしたいと思っています。

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