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今年の市場相場を読む

夏から秋の豆類の動向を占う インゲン、ソラマメ、エダマメ、サヤエンドウ

豆類も夏から秋にかけて、関東を北上して東北に産地が移動する。品目によっては秋を待たずに終了するものもあるが、東北が主産地になる品目も多い。夏と相性のいい豆類だけに放射能汚染による出荷制限があればマーケットは混乱する。他産地で代替できるか、それともそのまま入荷減となるか、消費が徐々に回復しつつあることもあって流通業界では情報収集に余念がない。季節野菜ゆえに契約的流通の割合は低く、市場での手当てが中心になるからだ。この夏は昨年のような猛暑はないといわれ、作柄も平年並みが予想される。産地側は流通業界とのきめ細かな情報交換が必要な年だ。

インゲン 夏場は福島産のシェアが6割以上。今年は多くの産地から寄せ集めか

【概況】

東京市場のインゲンは、年内から始まる沖縄と鹿児島がまず動きだして春先までを受け持ち、5月に千葉などの関東産に切り替わる。7~9月は福島産が6割以上のシェアを占め、10月に入ると関東産に戻る分と九州産のスタートが重なる。入荷のピークは5~8月だが、不需要期の冬場でもピーク時の半分以上の数量が入荷する。そのため、輸入品の割合が冬を中心に1割程度あるのも特徴だ。

【背景】

今年は3月が例年並みの入荷だったが、震災の影響で消費が落ち、単価は2割近く安かった。4、5月もさらに単価が下落したものの、これは九州産の残量と千葉を中心とする関東産が潤沢に出回ったため。ただ、夏場の主産地である福島からの出荷が始まる6月には例年より2割以上の入荷減となり、相場は16%程度高くなった。茨城産は増えたが、主力の千葉産の入荷減と福島産がほとんど入荷しなかったことによる。

【今後の対応】

秋まで消費が旺盛なインゲン。しかし、この時期の主産地である福島産の動向が不透明で、小売、業務用向け需要者とも不安感が強い。昨年を振り返ると入荷減の単価高だったため、今年の各産地の生産意欲は基本的に高く、また東北各地には「サーベル」などの幅広品種を含めて中小の産地が多い。スーパーなどでのフェアに対応するのは難しくても、「どこにもない」というひっ迫状況ではないことから、中小産地の売り込みの年かもしれない。

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