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府県の畑作野菜経営を考える

石川治男(48歳)さんVS高松求(66歳)さん

府県の畑作経営の現状は自己搾取的ともいえる過剰労働に依存した。園芸的’畑作である。バレイショ、加工用トマト、ニンジンなど今後に期待できる畑作野菜も、それには機械化と経営者自身の「働き方」、「経営観」についての意識改革が前提だ。
府県の畑作経営の現状は自己搾取的ともいえる過剰労働に依存した“園芸的”畑作である。バレイショ、加工用トマト、ニンジンなど今後に期待できる畑作野菜も、それには機械化と経営者自身の「働き方」、「経営観」についての意識改革が前提だ。しかし機械を持った大規模農家あるいは作業請負業者と、面積は小さくとも経験のある農家との分業ができれば、新しい府県の畑作経営も可能になるのではないか。本誌では以後、川上・川下にある企業の協力も得ながら、今後の畑作経営の可能性を考える。今回は、高松求さん(茨城・牛久)と石川治男さん(茨城・結城)という二人の農業経営者に、バレイショ作りについて話し合っていただいた。(4月10日高松さんの圃場にて)

石川さんは各種の大型機械を使った作業請負と同時に、5haのゴボウ栽培においても個人銘柄の作物を作る、大規模志向、コントラクター志向の経営者。一方高松さんは、夫人との二人三脚で効率的な営農を追求。今年は新たな試みとして、85aのバレイショの栽培にとりかかった。


小さいなりの知恵と手間 大きいゆえの技術と機械


高松 ここは200m×50mくらいの面積で、近所の人の土地を借りてやっているんです。ご主人が亡くなってから耕作が放棄されていて、一昨年まで荒地だった。それでまず、それほど地力を必要としないものということで陸稲をやって、麦をやって、去年大豆をやって、それぞれプラウで残湾を地下へ戻した(4号経営者ルポ参照)。それで今年、いよいよ地力を必要とするようなものをやろうと考えてジャガイモを始めたわけです。

 しかしここで狙っているのは、ただ穫れればいいっていうんじやなくて、規模の違う他の人と共同するということを、実現したいんです。年寄りは播種の技術や、これまで培った知恵、管理のよさを出す。そして収穫のほうは、機械化して大きな経営をしている人にお願いするという形。それで両方ともちゃんと利益が出るということをやりたいんです。

石川 信用の持てるパートナーを見つけて、ある程度採算が合うところで、とにかく長くやっていくという感じにしないとね。私にとっても、そういう風な技術の提供があれば、今の面積の3倍くらいの量をこなせるようになると思います。結局今は私のところも頭打ちになっている。もうこれ以上は管理しきれないというところまできてるから。

高松 普及所は現役の農家に聞こうという姿勢が足りないですね。かたくなだ。知らない人に教えるばっかりで。しかも教えてくれることは経営ではなくて、こんな技術がありますよっていうだけ。食えるかってことを問題にしていない。

 しかし石川さんはどうしてそう大きくやろうという気になったんですか。私は夫婦だけで済むようになるべく小さくやりたいと思うんだけど。

石川 なんていうか、小さいとこでも結局労力は使う。それで、どうせ機械化してやるなら大きくしたほうが売上げも呻びるし、身体も楽だし。

高松 それはどうですか、本当ですか。

石川 機械化した作業体系が組めれば、だいたい管理は私一人でできるんです。だから、返って中途半端に大きいと疲れちゃうんです。

高松 そうか。収穫機を使うことを考えると、圃場が狭いと動かすのにものすごく神経を使いますね。

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