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イベントレポート

関東甲信越土を考える会 夏期研修会 これからのトラクタ選択&活用術を語ろう

8月2~3日に関東甲信越土を考える会の2011年度夏期研修会が開催された。初日は千葉県柏市の柏染谷農場に集まり、5年目の挑戦となる乾田直播の圃場視察からのスタート。場所を移して、乾田直播の実践報告会が行なわれた。同農場が導入3年目を迎えた早期播種乾田直播の取り組み、大規模の経営における導入についての講演に参加者は熱心に耳を傾けた。
 8月2~3日に関東甲信越土を考える会の2011年度夏期研修会が開催された。初日は千葉県柏市の柏染谷農場に集まり、5年目の挑戦となる乾田直播の圃場視察からのスタート。場所を移して、乾田直播の実践報告会が行なわれた。同農場が導入3年目を迎えた早期播種乾田直播の取り組み、大規模の経営における導入についての講演に参加者は熱心に耳を傾けた。

 翌3日、夏期研修会としては異例のトラクタ・作業機の実演会が行なわれた。会場をお借りしたのは、千葉県香取市の(有)こうざき自然塾が管理している、今年作付けできなかった圃場である。未だに農道の凸凹、陥没はそのままで、液状化で地下から上がってきた砂が圃場や道路を覆っている。代表の鈴木一司氏は「地区はもともと沼だったので、3月の大震災で液状化被害の影響が大きく、60cm地盤が下がったところもあります。川が隆起して水田より水位が上がってしまい、水が吐けません。また基盤整備で地下に埋めた用水と排水のパイプラインが壊れて、水稲の作付けができない状況」と語った。自前の機械体系を駆使して、圃場にできた30cmほどの段差を整地して、一部の圃場を除いて水稲の代わりに大豆を播いて転作対応した。

 液状化の被害を受けた圃場をどのように復旧できたのか。それは、日頃から揃えてきたトラクタと作業機があり、フル活用できたからに他ならない。実演の中でも、畔を取り崩して2枚の圃場を1枚にする作業も実際に行なわれた。

 今回集まったトラクタは、今年、メーカー各社が発表したセミクローラトラクタである。パワクロに力を入れてきたクボタに、井関農機のT・Jpanシリーズ、ヤンマーのEG105が加わり、ユーザーの選択肢が広がった。

 クローラトラクタの弱点で指摘されるのが、足回りのメンテナンスと耐久性であろう。新しい機種は、クローラのスプロケット穴がなくなり、内側の転輪にスクレーパを備え、泥の付着を軽減し、クローラ本体のシンプル化が図られているようだ。

 参加者による意見交換の場で多く聞かれたのは、部品交換程度で壊れない、一日中乗っていても疲れない、夜間作業にも明るく照らすライト付トラクタがほしいという要望である。適期にどれだけ作業ができるのか。規模拡大で大面積を抱える農業経営者にとっては、トラクタと作業機の選択、そして複数台の機械を使い分けるノウハウがあってこそ乗り切れるのではないだろうか。

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