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初めからうまく行かないのは想定内として、ここから反省して改善案を立てるという大切な作業が始まります。まず気付いたことは、レストラン向けに特化した特選野菜の仕入体制は八百屋の仕入としては不備が多かったことです。特に旬でない基本野菜を欠品してしまうという問題点を抱えていました。次に東京多摩地区に築いた地場野菜のネットワークは世田谷区や川崎市では価値がなかったということです。流通の問題で集荷翌日の販売になってしまうのです。これでは鮮度が売りの地場野菜として当然通用しませんでした。
八百屋の改善策として、大田市場の買参権を取得して市場品も仕入を始めました。旬の果物や旬でない少量の基本野菜に利用しています。
地場野菜として川崎は川崎の篤農家さんを、世田谷は世田谷の篤農家さんの野菜を直納で鮮度良く販売していますが、まだまだ信用がない上にJAさんと取引ができないので件数的に苦戦しています。地場野菜のない「渋谷店」は超富裕層が多いため、自然栽培(無農薬・無施肥)の野菜を高価格で販売して売り場の差別化を図っています。
しかし商品力以上に問題なのが、八百屋としての基本的な売り方ができていないことでした。親切なプロの方々から教わる「土モノは土モノでまとめる」「隣の肉屋側の売り場には肉料理に利用されやすい野菜を並べる」「一つでも悪いものは陳列しない」「レジ前は小物強化」「小分け・カットをして選択肢を広げる」「量り売りとパッケージ商品は、確かな狙いを持って価格差を付ける」「枝付き枝豆は手間暇かかるので週末が良い」などなど勉強しなければならない八百屋の基本は無限大にありそうです。
どうですか? 楽しそうに苦労をしているでしょう! 結果が出ない中で努力を継続することは必ず自分を成長させてくれると確信していますから、実際に楽しいのです。
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高橋がなり タカハシガナリ
国立ファーム(有)
代表取締役
1958年生まれ。専門学校卒業後、佐川急便にてドライバーを経験。その後テリー伊藤に見込まれ、「元気が出るTV」などのディレクターを務める。30歳で起業するも、二社の経営に失敗。三度目の正直でアダルトビデオメーカー「ソフト・オン・デマンド株式会社」を設立。10年で100億円企業にまで育て上げて引退する。2006年4月に「青葉株式会社」を立ち上げ、農産物の生産から流通、販売まで一貫して取り扱う「国立ファーム設立準備室」を青葉株式会社内に作る。過去にNTV「マネーの虎」に出演して一躍注目を集めたほか、『サイゾー』『Big tomorrow』『Ray』『R25』『フロム・エー』など多くのメディアに登場。人生を切り拓く独自の哲学が若者のみならず多くの人々の共感を得る。著書に『がなり説法』(インフォバーン)、『がなり流!』(青春出版社)、『社長の遺言』(インフォバーン)などがある。
高橋がなりのアグリの猫
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