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今年の市場相場を読む

夏秋野菜 チンゲンサイ・サヤエンドウ・オクラ・ニンジン

5月、6月は夏秋野菜の定植から育苗の時期。昨年は猛暑で生産に大きな影響が出たがその分、単価は良かった。単価がいいだけに、多くの品目で面積拡大が行われるとみるべきで、その増勢にどれだけ消費がついてくるかを見極める必要がある。
 5月、6月は夏秋野菜の定植から育苗の時期。昨年は猛暑で生産に大きな影響が出たがその分、単価は良かった。単価がいいだけに、多くの品目で面積拡大が行われるとみるべきで、その増勢にどれだけ消費がついてくるかを見極める必要がある。作付規模や品目導入で迷っている農業者のために、特徴的な品目についての流通状況を分析する「市場相場を読む」をお届けする。生産、出荷、販売のための参考になれば幸いである。なお入荷量、単価は東京市場のものを利用しているが、数量はこれを10倍すると大体、全国の卸売量となる。


チンゲンサイ 地道ながらアスパラ並みに 一般需要にはミニチンゲン


【概況】

 平成6年は、3月、4月、7月、9月の4ヶ月だけ過去4年間の平均単価を下回っただけで、とくに年明けの1月、2月、11月、12月の冬場に過去の平均数量を上回ったのにもかかわらず平均単価を上げるという動きを見せた。年間で見ても入荷量は前年とほば変わらないながら単価は高くなっており、5年前の平成2年との比較でも、数量は6%増加したのに対して単価も5%アップしている。東京市場で年間7000トン弱の数量は、成長著しいアスパラガスをやや上回るほどの品目になってきたということだ。東京市場に関しては、茨城、静岡、埼玉が三大産地で周年出荷をしている。長年かけて地道に成長してきた品目だけに、産地が固定している。

【背景】

 年間ほぼ安定して入荷がみられ、微妙な増減に対して相場が敏感に反応するというのは、業務用野菜の典型的パターンである。いうまでもなく中華料理の食材として、不可欠な野菜となっている。ただし、とりわけ冬場に相場が強含みになっているのは、業務用でも鍋物に利用される傾向が出てきたことを意味しており、最近急成長ぎみの・居酒屋チェーンなどでの利用拡大が背景にありそうだ。もちろん、これに加えて一般の家庭需要も、スーパーにおける定番品揃え傾向とともに、徐々に拡大ぎみである。

【今年の対応】

 全国的に中華料理の基本食材として定着しており、どの地域で生産しても地元の拠点市場では、一定の需要がある。むしろ、葉物一般に見られるような、地場対応野菜(地場市場に出荷する野菜)としての仲間入りを果たしているといえるだろう。新たに導入をする場合は、業務用需要への対応の場合はなるべく周年化できる作型がとれる地域が望ましい。また品目ローテーションの中に組み入れる場合は地域で無理なく生産できる季節を選び、小売用の「若どり」を勧めたい。スーパーによっては、柔らかさが身上のチングンサイ「ミニチングン」を売れ筋商品に仕上げているケースもある。丈の成長が止まり、株の肥大期に移行しようとする時期で収穫するのが、ミニチンゲンの生産のコツだといわれる。この場合は、できれば特定のスーパーなどにあらかじめセールスしておくことが重要になる。

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