ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

農産物貯蔵庫カタログ
差別化と勝ち残る品質管理のために

青果物の鮮度や安全性に対する消費者の関心はますます高く、各野菜産地及び流通の各段階では、鮮度保持技術が商品差別化の最も重要な要件の一つとなっている。青果物の予冷による鮮度保持システムは、すでに1965年のコールドチェーン勧告以来、JA農協などにより大小の施設導入が行なわれてきた。生産農家段階での個別導入はイチゴの産地間競争の激化を機に予冷庫の普及が広まり、今日では各種の高級農産物や花き・野菜栽培農家での導入が盛んである。「予冷」とは、鮮度保持を目的に生産地においてできるだけ早く所定温度まで冷却する操作、すなわち収穫直後に青果物の圃場熱を除去する操作で、その代表的な冷却方法としては、大型施設では(1) 強制通風式、(2)差圧風式、(3)真空式、の 3タイプが導入されている。
■鮮度維持とは


 青果物の鮮度や安全性に対する消費者の関心はますます高く、各野菜産地及び流通の各段階では、鮮度保持技術が商品差別化の最も重要な要件の一つとなっている。

 青果物の予冷による鮮度保持システムは、すでに1965年のコールドチェーン勧告以来、JA農協などにより大小の施設導入が行なわれてきた。生産農家段階での個別導入はイチゴの産地間競争の激化を機に予冷庫の普及が広まり、今日では各種の高級農産物や花き・野菜栽培農家での導入が盛んである。

 「予冷」とは、鮮度保持を目的に生産地においてできるだけ早く所定温度まで冷却する操作、すなわち収穫直後に青果物の圃場熱を除去する操作で、その代表的な冷却方法としては、大型施設では(1) 強制通風式、(2)差圧風式、(3)真空式、の 3タイプが導入されている。

 野菜や果実のような青果物は、収穫し栄養吸収を絶たれた後でも呼吸作用は続けており、これが蒸散作用、微生物作用とあわせ鮮度の劣化に大きな影響を与えている。とりわけ呼吸作用は、栄養成分の消耗やシオレなどの品質低下の要因となる。温度が高いほど生理作用が活発となって呼吸量も大きくなり、品質低下が早まる。したがって収穫後速やかに呼吸作用を抑制することが品質を保持するうえでは必要不可欠となるわけで、それが産地間競争激化のなかで差別化を図る経営上の決め手ともいえる。

 作物の鮮度保持技術の代表的なものとして、(1)温度管理、(2)湿度管理、(3)気体管理、(4)その他、に分けられる。なかでも鮮度に最も影響をもつといわれている (1)の温度管理には「水温貯蔵」「パーシャルフリージング貯蔵」「寒温貯蔵」等の高性能冷蔵庫をはじめ機能付加冷蔵庫 (高湿度冷蔵庫、エチレン除去型冷蔵庫等)、換気(堆積通風貯蔵庫、送風貯蔵庫等)、予冷(強制通風、差圧通風、真空冷却、冷水冷却等)の各方式があり (表1)それぞれの作物にマッチした冷却方式を採用する必要がある。

 また、冷蔵庫は収穫物の鮮度維持という流通技術上の手段としてだけでなく、種子、苗の貯蔵や作期調整など生産技術としてもさまざまな可能性を与える技術素材でもある。

 今回は、青果物および米の予冷・貯蔵用(自家用を含めて)の施設の代表例を紹介したい。

関連記事

powered by weblio