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今年の市場相場を読む

秋から冬に需要が高まる土物野菜類 カンショ、サトイモ、ナガイモ、レンコン

今年は、やや暖秋傾向だったが、一転して寒さが訪れるとしっかり冷え込んでいる。煮物など温かい料理のイメージが強い秋と冬がシーズンの土物野菜類は、特に今年のように世情が不安定な年には格好な商材だろう。焼き芋や芋煮などの定番だけでなく、温かい料理のイメージが薄い品目でも温かく食べられるメニュー提案をすることが肝要だ。貯蔵性が高いだけに安定供給でき、販売企画にも対応して販売にメリハリを付けることも可能。土物だけに一時あった放射性物質汚染絡みの敬遠機運はだいぶ緩和されていることもあり、消費活性化のきっかけにもしたいものだ。

カンショ 全国的な増産意欲を背景に入荷増。今年も小売店の利益商材に名乗り

【概況】

東京市場のカンショの入荷はここ数年来、漸増傾向で推移している。不作だった昨年のあおりを受け、今年に入ってからも入荷減が続いていたが、この秋からはまた潤沢な入荷傾向に戻った。全国的に生産意欲が高いのは近年のブームが背景にあるからだろう。主産地の千葉は6割以上のシェアを確保しながら増産。これに次ぐ茨城からの入荷も連動して増えている。安納芋の鹿児島からの入荷も増勢である。

【背景】

3年ほど前からの焼き芋ブームやねっとりして甘い安納芋が一連のスイーツブームにも乗った。今年は鹿児島産だけでなく、各地から“安納芋”が入荷している。同様に粘質で甘いカンショが各地で発掘されており、国の育成品種である紅はるかも鹿児島や熊本、大分などで作付面積を増やしている。特に大分では目安の糖度となる25度をクリアしたものを「甘太(かんた)くん」のブランド(商標登録)で販売するなど、カンショの商材は豊富だ。

【今後の対応】

カンショは収穫直後より年明け以降のほうが甘みが増す。ちょうど冬真っ盛りのシーズンに味の乗った焼き芋を販売することで、ファンは確実に増えている。全国のスーパー約3000店に焼き芋機が普及しているという情報もあり、3月までの青果売場での利益商材に位置づけられる。今年は流通量が確実に増えることが予想されており、値ごろ販売で量販したいものだ。家庭用電気オーブンでも十分おいしく作れる情報を添えて。

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