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今年の市場相場を読む

春の季節野菜と周年需要 タケノコ、フキ、山ウド、ナノハナ

年が明けて2月ともなると、春の季節野菜が登場してくる。山菜類などが代表するこの時期の季節野菜は、本格的な春の訪れを待ち切れずに促成栽培され出荷されることが多い商品群だが、差別化商品というよりは人々が春を待望する気持ちを具象化した食品でもある。特にこの冬は寒さがより厳しく、震災からの復興を待ちわびる要素を含め、春の訪れが格別な意味を持つ年。春の季節野菜にかける関係業界の意欲と期待は大きいものがある。そんな位置づけの春の季節野菜だが、多くの品目で周年にわたる需要が生まれており、それに対応するための生産や商品もある。

タケノコ 3~5月で年間入荷量の9割が集中、求められる国産による水煮加工品

【概況】

東京市場のタケノコは、4月に年間入荷量の65%を占め、その前後の月を加えるとほぼ9割に達する季節商品である。これまで生産者の高齢化や産地の労力不足から出荷量が激減しており、近年では比較的入荷の多かった2004年と2011年を比べると4割減にもなる。3割のシェアを持つ福岡がトップ産地で、静岡、千葉と続く。12月から3月までシェアが高かった中国産はここ数年で半減した。

【背景】
季節野菜としてのタケノコは、春に集中して入荷するが、需要そのものは年間を通じてある。それに対応しているのがタケノコの水煮で最需要期は12月。おもしろいことに生鮮品と水煮品は年間レベルでほぼ同量が入荷している。ただ、水煮品の入荷も漸減傾向にあり、2004年と2011年を比べると生鮮品同様に4割近くの落ち込みをみせる。生鮮品で減った中国産が水煮品では確実に増えているのも特徴の一つだ。

【今後の対応】

煮物などで欠かせないタケノコは、いつもは水煮品でも春だけは生鮮品が求められる需要構造になっている。水煮品の7割が中国産のため、いつもは中国産の水煮品で春だけが生鮮品の国産という内訳だ。そこから見えてくる課題は国産でも水煮品を増やすべきだということ。水煮の品質も食味も格段に良くなっており、細切り品もあって使い勝手もよい。現状でも国内のタケノコ資源は豊富なことから、市民を活用した採取など工夫が待たれる。

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