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【女の視点で見る農業経営】
夫に頼りにされる妻でありたい
- 編集部
- 第2回 1995年10月01日
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仔牛の誕生をきっかけに酪農にのめり込んで
父親はサラリーマン、母が農業をやっている家庭で育った私は、4人兄妹の長女ということもあり、小さいころから畑仕事を手伝わされました。まだ機械化されていない時代で、かなりの重労働だったため、大きくなっても農家にだけは嫁ぎたくないと子供心に思ったものでした。高校卒業後、南日本酪農という乳業会社に就職、製品検査や酪農家個人別サンプルの検査などが主な仕事でした。仕事の関係で酪農家を訪ねて交流を重ねているうちに、高校時代のクラブ活動で2年先輩だった主人と再会、交際が始まりました。結婚は周囲の皆に反対されましたが「この人とだったら、どんな苦労も耐えることができる」という私の決意にようやく認めてもらうことができました。昭和47年3月のことです。
しかし現実は厳しいことばかり。「酪農」という職業を選択したことを何度後悔したか分かりません。でもそんなある日、子牛の分娩に立ち合う機会を得たのですが、生命の誕生に感動し、人間も牛も同じ生物なのだということを改めて実感させられました。このことがきっかけとなって、牛舎の仕事もだんだん苦にならなくなり、牛たちの世話をする素晴らしさに取りつかれ酪農にのめり込んでいったのです。
夫に頼りにされる妻でありたい
私かいつも思っていることがあります。それは「夫に頼りにされる妻でありたい」ということです。あれをしなさい、これをしなさいと言われただけの仕事は楽かもしれません。私白身、酪農家に嫁いだばかりのころは、何も分からず、一つ一つ指示されて初めてできる状態でした。それでも仕事に慣れてきて要領が分かるようになると、今度はトラクタに乗ってする作業に興味を覚えるようになりました。さまざまな作業機がそれぞれの役割のなかでいろいろな動きを見せます。私自身がもともと運転をしたり機械を操作したりする仕事が好きだったこともあり、作業機を使えるようになればもっと役に立てるのではないか、そして主人の仕事の負担を少しでも軽くすることができるのではないかと思い、昭和60年、大型特殊免許(けん引含む)を取得し、同時に2級農業機械士に認定されました。今では作付けから収穫までのほとんどの作業を機械で使いこなせるようになったのです。二人で作業にかかれるということは、能率も上がって経営にプラスになります。女性も補助的役割で終わることなく、積極的に経営に参加することで、男性の負担を軽くし、また自分白身も誇りと自信をもって充実した仕事ができるようになると私は思います。
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