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今年の市場相場を読む

果実的野菜の“果実度”イチゴ類、アールスメロン、貴味メロン、スイカ

生産面で野菜類に分類されても、流通・販売では果実として扱われているのが果実的野菜だ。農林水産省の食料需給表でもこれら果実はあくまで野菜類として分類される。しかし、イチゴ、メロン、スイカなどは、たしかに植物学的、栽培技術的には野菜なのだろうが、消費者にとっては果物だ。一方、天候との相関関係は野菜と同様で、生産者も野菜生産との意識があることも事実だろうが、マーケティングという観点からは果実類として扱わなくてはならないものが多い。果実類なら訴求すべきは、品目名ではなく品種であり産地であるものの、なかには野菜類と同じく品目として扱うべきものもある。

イチゴ類 一般商品となる半年は品種訴求を、夏場の需要開拓では共同戦略がカギ

【概況】

東京市場のイチゴ類は、12月から入荷が増え始め、3月にピークを迎える。その後、5月まで一定の数量がまとまっており、一般流通では6カ月間の長期販売体制となっている。主産地は36%のシェアを持つとちおとめの栃木、次いであまおうの福岡が17%で続く。さがほのかの佐賀は11%、紅ほっぺの静岡が8%だが、品種別ではとちおとめが茨城などを含めると5割以上を占める。夏場は業務用の米国産のシェアが高い。

【背景】

12月からの6カ月間の販売は品種+産地が商品性となる。位置づけとしては、とちおとめとさがほのかがキロ1000円絡みで量販商材になるが、それより2割増し以上の差別化商材があまおうであり、紅ほっぺはその中間的な存在に当たる。6~10月ごろまでの期間は、ペチカや夏実などの品種名というよりは、品目名の「夏秋イチゴ」として輸入品か国産かといった区別しかない。業務用の食材としてはこの時期のイチゴであればかまわないのだ。

【今後の対応】

果実として、産地名と品種名を売り込もうというイチゴは、個々の販売戦略が重要であり、合同販促キャンペーンはあまり意味がない。夏場を中心に一般商材として夏秋イチゴの消費拡大を目指す場合なら有効だろうが……。また、野菜商材ならかまわないが、小売店で毎日、置いている品種や産地が替わってしまっては消費者のリピートにつなげにくい。産地はシーズン中に常に置いてもらえる小売店をなるべく増やす努力をすべきである。

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