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今年の市場相場を読む

増えた輸入野菜と市場相場 サトイモ、キャベツ類、ニンジン、ゴボウ

昨年は、生鮮野菜の輸入が多かった前年よりさらに11%増えて約88万tになった。震災発生に絡んでの消費低迷と比較的順調な気候の推移もあり、猛暑の影響が大きかった一昨年より相場は全体に低迷ぎみであったにもかかわらず、輸入が増えたのはなぜか。数量で輸入生鮮野菜の43%を占めるタマネギは国産が引き続き不作だったため、さらに1割増えたが、ほとんどの品目が前年並みから増勢だった要因はなんだろう。安値志向の加工・業務用中心に輸入の原材料は流通しているといわれるものの、特に輸入が増えた品目を卸売市場での入荷推移、価格動向と対比しながらその原因を探ってみたい。

サトイモ 輸入量は54%も上回る。夏場の業務用対応で九州産地の増産を

【概況】

昨年の東京市場のサトイモは、前年の不作を受けて年明けにやや入荷が増えたものの、以降7月まで平年を下回って高値が続き、翌8月からは新物の出始めでやや回復した。ただ、それも一時的なもので、結局は11月以降、入荷が増加して単価が沈静化するまで年間を通じて入荷減の単価高だった。入荷量は主産地の千葉が16%増と頑張ったが、他の産地は少ない。これを補完すべく中国産の輸入が4割も増えた。

【背景】

昨年は輸入量が前年から54%増え、約1万2000tだった。そのうち、東京市場に入荷したのが4割増の1044tである。同市場は全国の国産野菜卸売量の約1割のシェアがあるとされるため、ほぼ順当な入荷状況にみえるが、輸入量の増加に比べればその割合は低い。そのギャップは加工・業務用の市場外流通にある。実は4年前の中国産野菜の敬遠傾向の際には、そのギャップはもっと大きく、輸入量の割に市場入荷量は少なかったのだ。

【今後の対応】

昨年は7月が最も入荷が少なく、高騰した。普段でも春先から夏にかけては入荷が減って高くなるが、昨年は異常だった。中国産は、前年の国産の不作を踏まえ、年明けから前年より倍増近いペースで入荷していたものの、なぜか7月には6月の半分以下になった。そこで途端に暴騰したのである。夏場を中心に需要は業務用が中心になるためだが、この時期の主産地である宮崎や鹿児島など九州産地の増産をひたすら期待するしかなさそうだ。

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