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今年の市場相場を読む

外食動向と業務用特化の野菜 サラダナ、パセリ、アーリレット、ワサビ

バブル経済崩壊以降の経済低迷の末、リーマンショック、さらに東日本大震災などが起こり、外食産業を中心とした野菜の加工業務用需要は大きな変容をみせている。業務用野菜は最終的には流通量全体の6割以上を占めるといわれるが、その流通実態は一部の大手企業を除き、ほとんどが卸売市場業者や青果店など納入業者、カット業者などを経ており、その調達拠点は卸売市場である。変容しているのは、特にその納入食材の質であり、高級品から低位品へ、特殊な用途のものから汎用品へといった、主に価格訴求の傾向がみられること。今でも業務用に特化している食材の市場流通動向は興味深い。

サラダナ 飾り物需要は20年で3割もの減少。一般家庭での外食模倣需要の喚起を

【概況】

東京市場のサラダナの入荷は年間を通じてほぼコンスタントな数量を保っている。主産地の千葉が45%、続く静岡が25%、次いで福岡が20%といった産地構成も変わりない。バブル期当時から大きく異なっているのは年間の入荷数量で、現在では3割減少した。それでも、単価がほとんど変動していないことからすると、サラダナ専用の産地が市場の需要動向を見ながら生産調整しているのだろう。

【背景】

サラダナはその名のとおり、サラダなど洋食料理の飾りとして、その形状といい、大きさといい、適している。“食べる野菜”ではなく、飾りのため、食味がうんぬんされることもないに等しい。しかし、単価が高いことから、その需要は汎用性の高いレタス類に容易に取って代わられる。ここ20年で入荷数量が3割も減っているのにあまり問題視されていない。新勢力もなく、レタス産地が副業的に生産しているのが実態だ。

【今後の対応】

サラダナの需要構造はおよそ8割以上が業務用で、市場への入荷推移をみると現在の状態でほぼ下げ止まった感がある。レタスなどに代替しない需要だけが残ったと考えてよいが、経済状況が上向いても移行した需要は戻らないとみるべきだ。ポイントは、小売店で家庭向けに品ぞろえしていた部分のうち、徐々にではあるが、一般家庭で外食メニューの“模倣”化が進んでいること。子供の弁当などに彩りを添える使い方など、ヒントは生活提案だ。

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