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今年の市場相場を読む

“薬味用”といわれる野菜類 根ショウガ、オオバ、ミョウガ、小ネギ

初夏から夏本番は“薬味用”といわれる野菜類の最需要期になる。ソーメンや冷奴など涼を呼ぶ食べ物の消費が飛躍的に増えるシーズンである。冬場の食べ物と異なり、夏はあっさり、淡白な体を冷やすものが好まれる。ただ、あっさりした味は食べ続けると飽きるため、薬味によってアクセントをつけるという役回りだ。その一方で薬味用の野菜には、を刺激したり、体の調子を整える、薬効・機能性成分も含まれている。これら野菜類の産地は、このシーズンに合わせた生産・出荷体制を取るのが原則。その流通実態は果たして需要とシンクロしているだろうか。

根ショウガ 年間を通して計画出荷される安定性。もっと色鮮やかで辛味の強いものを

【概況】

東京市場の根ショウガは夏に入荷のピークがある。10年前から比べると2割程度の入荷減となっているが、これは中国産が半減したことによるもので、同国産減の一部を高知がカバーする形になっている。昨年で高知産のシェアは55%程度、かつて6割近かった中国産は減ったとはいえ3割を占める。需要のハイシーズンは高知産が出荷を増やして支えており、業務用対応の中国産は年間を通して一定の入荷ペースを保つ。

【背景】

主産地の高知などでは、年内に掘り取ったものをそのまま貯蔵し、出荷に合わせて洗浄して袋詰めする。年間の需要動向はほぼ一定であり、需要期にメリハリをつけることを含めて非常に調整しやすくみえる。中国産が減少しても状況の変化にきめ細かく対応しているが、一回の収穫物を年間にわたって供給するため、年末に過不足が出ないようなコントロールは難しい。中国産の減少分を埋めていくには時間がかかるゆえんだ。

【今後の対応】

中国料理などの調味野菜としてでなく、薬味としての根ショウガはもっと色鮮やかで辛いものがほしい。鮮やかな黄色が特徴の「黄金ショウガ」が一部生産され始めたほか、辛味成分であるジンゲロールの含有が中国産より優れた「黄金虚空蔵」という新登録品種が一般品種並みの生産性があることで注目されている。今年からこの品種を全国のローカルスーパーで差別化販売する計画(フレッシュリミックスの「逸品」シリーズ)もあり、期待される。

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