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あの機械この技術 私の取扱説明書

家族経営を支えるオリジナル農機

吉田豊氏の倉庫には自作のオリジナル機械が所狭しと並んでいる。秋の収穫が終わると、倉庫は「吉田鉄工所」の愛称で呼ばれるほどの機械製造・改造工場と化す。机の上には図面や部品が置かれ、各種溶接機械や旋盤などの工作機械設備はちょっとした町工場である。
 吉田農場の経営は、約50haの畑作で小麦、食用ジャガイモ、ビート、豆類(小豆・金時豆)、スイートコーンを輪作している。作業は親子2人に繁忙期は妻を加えた3人体制。

 「何か楽ができないかと思って、不自由を感じて毎年改良を加えている」と話す通り、臨時雇用なしの家族経営で適期に作業を終えるために、作業工程を減らす複合化や作業精度を高める改良・開発を行なってきた。購入した機械は不満を感じた部分に手を加え、材料からすべてを自作することもしばしばだという。

 農家の長男に生まれ、いずれは経営を継ぐつもりで、高校生の春休みのアルバイトに選んだ先は鉄工所。就農する前に機械加工の一連の作業を身につけておきたかったというのがその理由だ。「弁当を持って出かけて、1日働いて800円。あの時はきつかったよ」と振り返るが、20代で就農した後、自分の農場経営にその経験を活かしてきた。

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