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独断注目商品REVIEW

日本独自の水田用二段耕プラウを表層の放射性セシウムの埋没に

「東日本大震災および福島第一原子力発電所事故以来、除塩・除染作業にともない「反転耕」の新しい需要が広がっている。事故直後から現地に入り、様々な試験に協力してきた取り組みについては、弊誌でも取り上げてきた通りである(「水田除染の鍵はジョインタ付きプラウ」弊誌2011年8月号参照)。農林水産省が出した指針も、「より農地の放射線量を低減させる方法の一つとして、プラウによる反転耕で表層の放射性セシウムを下層に鋤込む技術が必要である」と後押ししている。

ボトムプラウ 除染対応プラウ

 「東日本大震災および福島第一原子力発電所事故以来、除塩・除染作業にともない「反転耕」の新しい需要が広がっている。事故直後から現地に入り、様々な試験に協力してきた取り組みについては、弊誌でも取り上げてきた通りである(「水田除染の鍵はジョインタ付きプラウ」弊誌2011年8月号参照)。

 農林水産省が出した指針も、「より農地の放射線量を低減させる方法の一つとして、プラウによる反転耕で表層の放射性セシウムを下層に鋤込む技術が必要である」と後押ししている。

 この指針を受けて、表層の放射性セシウムをより精度良く鋤込むプラウ開発を目的に、福島県下を中心に、水田、畑それぞれの圃場条件において、各種テストが実施された。

 この事業は平成23年度新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業の共同研究によるもので、(独)農業・食品産業技術総合研究機構、中央農業総合研究センター、生物系特定産業技術研究支援センター、福島県農業総合センター(企画経営部、畜産研究所)、井関農機株式会社、スガノ農機株式会社が参画している。


表土を鋤床に落としてかぶせる

 プラウの中でも当初から注目されていたのが「二段耕プラウ」と「ジョインタ付プラウ」である。二段耕プラウとはボトムが前と後に2個装備され、後ボトムで耕したところを前ボトムでさらに深く耕すようになっている。言い換えると、前ボトムで心土を表面に上げて後ボトムで表土を落とすので、確実な反転耕が可能になる。

 一方、ジョインタとはプラウのすき込み性能を向上させるためにボトムの前に取り付ける小型の鋤の形をした部品のことである。従来、表層にあるわらなどをあらかじめ鋤床に落とす働きをするが、地表面の土を切り崩して先に鋤床に落とすことで、後ろのボトムで土塊をかぶせると表土の埋め込み効果が得られるのだ。

 今回は、同社から農地の放射線量をより効果的に低減させる除染対応プラウが発表されたので紹介したい。除染対応プラウは全部で4機種。

 未耕起地のみならず、既に耕起されている水田にも対応し、表層から12cm程度を確実にすき込む水田用二段耕プラウが2機種。その他、ジョインタ性能の向上を図ったジョインタ付プラウ、畑や草地に適した耕深が確保できる畑用二段耕プラウがある。特徴は、新たに開発された表層のセシウムをより効果的に埋却する新形状のボトムと機能である。

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