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特集

今から始める大麻栽培 無毒大麻を産業に活かす

古来から繊維、食料だけでなく工業原料にも使われてきた大麻。しかし現在、大麻の栽培は大麻取締法により厳しく規制されている。そのなかで無毒大麻を産業に活かそうとしている動きを追った。取材・文/松田恭子

今、なぜ大麻なのか 麻産業の危機と日本麻振興会の設立

大森 由久 氏(おおもり よしひさ)
国内の麻生産の90%以上を占める栃木県における麻農家の七代目。2012年4月「日本麻振興会」設立、会長に就任。

■日本麻振興会の問い合わせ先
野州麻紙工房
〒328-0212 栃木県鹿沼市下永野600-1
TEL・FAX 0289-84-8511

【日本麻振興会の初イベント】

 6月23~24日、栃木県鹿沼市において日本麻振興会の初イベントである「日本麻フェスティバルandフォーラムin栃木」が開催され、麻産業関係者や栽培者など約300名が参加した。

 基調講演では、歴史研究家の林博章氏が「麻文化と日本の未来」と題し、阿波忌部氏のヤマト朝廷進出とともに阿波国(徳島県)から麻文化が全国に伝わった歴史を解説した。続いて阿波忌部氏直系の三木信夫氏が「大嘗祭とあらたえ神事」について講演し、天皇が即位後に大嘗祭で祀るあらたえ(麻織物)の調製と奉納について紹介した。両氏に栃木県立博物館学芸員の篠崎茂雄氏を加えたパネルディスカッションでは「麻は古来より日本人と関わりが深く、かつては全国で栽培されてきたのに現在では麻に対する誤解が多い」(篠崎氏)、「麻の加工技術は簡単なようで大変。このままでは需要が増えても技術が途絶える事態になりかねず心配している」(三木氏)、「無毒化した麻は大麻と区別し日本文化として捉える必要がある」(林氏)という意見が交わされた。


【全国の麻栽培はわずか5ha】

 主催者の日本麻振興会は今年4月に設立された。会長は、日本一の麻生産地である栃木県鹿沼市の麻農家七代目大森由久氏。大森氏を含めた5人の設立発起人はいずれも麻を栽培する農家だ。この会は、日本各地に伝わる麻に関する伝統文化・生活の中で伝えられてきた技術を後世に伝え、また、麻に係わる産業の振興に寄与することを目的としている。

 なぜ、日本麻振興会をこの時期に立ちあげたのだろうか。

 「1934年に全国で約1万ha作付けされていた麻は戦後減少し、ここ数年だけでも作付面積は10ha から5ha未満へ減少した。このままでは麻を作るのはウチだけになってしまう」(大森氏)

 大森氏は1.1haの麻を栽培している。以前は収穫した麻の茎の皮をむき屑を取り除いた「精麻」を仲買人に販売していた。10年前、熱田神宮からの問合せが大森氏の麻づくりを大きく変えた。宝物を入れる木箱を封じる麻の紐が切れるため、切れない麻を作ってほしいというのが要望だった。

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