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編集長インタビュー

非農家出身の新規参入者だからコメ農業にイノベーションを実現

  • 株式会社穂海 有限会社穂海農耕 代表取締役社長 丸田洋
  • 第92回 2012年08月10日

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丸田 農地は営農していた方からお話をいただいて、全部農業委員会を通して、全部利用権設定をしています。本当によくしてもらっています。ただし場所は選ばず、基本的にお話をいただいたらどこでもやる。いいところだけ選ぶ姿勢だったら、地域で認めてもらえてかったでしょうね。
 入って来たばかりのスタッフに「お客様は誰だ」と聞くんです。みんな「買ってくれるのがお客様だ」と答えるんですけど、実はそれ以上に地域がお客様だと感じるんですよ。地域がお客様ということは、スタッフひとりひとりが営業マンということ。挨拶、車の運転、草刈後のホウキひとつにしても大切だし、地域に対して何かを返さなきゃいけない、と考えてほしい。


昆 「農業はお天道様とお客様」です。どちらへも戻し続けるのが肝心。

丸田 「客」じゃなくて「お客様」という意識ですよね。

「コシヒカリ」ではなく「みつひかり」だからの可能性

昆 取り組んだのがコメだというのも良かったですね。日本農業の中で一番成長性があるのはコメですからね。

丸田 あまり「いい」と言うと、やる人が増えるから止めて下さい(笑)。

昆 なぜコメを選んだんですか?

丸田 周りにコメしかなかったからというのが正直な理由です。でもそれがよかった。というのも、どんな農家でも何俵かは確実に採れて、下ブレが少ない。かつ、もし落ち込んだとしても農済というすばらしい制度がある(笑)。

昆 作っている品種は。

丸田 メインは「コシヒカリ」でそれ以外は、早生の餅になる「わたぼうし」、「こしいぶき」という早生のうるち、そして超晩生の「みつひかり」です。
「みつひかり」は日本では数少ない民間育種のF1品種で、超晩成なんです。新潟県内の場合、コシヒカリより1週間ほど早く植えても、稲刈りは3週間~1か月ほど遅くなりますから。田植えを5月上旬とすると、稲刈りが10月中旬以降。「みつひかり」にこだわるのは、少ない機械でいかに大きな面積を栽培するかを考えるべきだと思うからです。早生品種や中生品種を作付ける前と後に作業できる「みつひかり」は、作付分がボーナスになるのです。
 今、「みつひかり」は7町歩くらい作っていて、収量は湿田の粘土質の農地で12~12.5俵。温暖な地域の品種のため、新潟の冷たい水はマイナス要素になる。砂地でうまくやっても13俵でしょうか。ただ基本的に鈍感な品種だから栽培しやすいですし、いろいろな工夫をした結果、栽培3年目にして「新潟の中ではこういう栽培法がいいんじゃないか」という方向性も見えてきています。

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