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昆 種販売と集荷もやってるのでしょう。
丸田 はい。種を買ってもらう時に、「全量うちが買わせていただきます」という話をしたうえで、作ってもらっています。新潟では約15の法人と取引していて、うちと県外全域も全部合わせると、二千俵以上、120t~130tを扱っています。基本的には玄米販売が中心で、売り先としては、商社、大手卸、地域の卸、あと直で外食も。精米工場を持ってないので、今のところ川下まではあまり手を伸ばしていません。すぐお金にならないから…。
昆 「みつひかり」を組み合わせるから機械の償却が早まり、単価は安くても多収で稼げる。もっと増えても良いはずなのだけど、餌米の補助金が邪魔してるんだろうか。
丸田 それもあります。でも「今の倍に増えるか」と言われたら難しいし、遅いことがコメ専業農家にとってはプラスになっても、裏を作る人達にとってはそこがデメリットになる。だから「みつひかり」を作ったらどんなメリットがあるのかをもっと明確に見せて、農家の方々の要望を満たしていく課題は残っていますね。
「僕の夢はライスメジャーになることです」
昆 これまでやってきて経営の転換点になったことってありますか。
丸田 JGAPの基礎研修の講師として回る仕事をするようになったのが、転換点のひとつですね。うちに営業に来られていた方に連れていってもらったのがきっかけで、僕は元々エンジニアだったから、「ああ、ISOみたいなものね」と思っていたんですよ。それでその時、指導員を育成するカリキュラムの第一回目がもうすぐあると聞いて、「一回目」というのにグッときまして。実際、指導員になったら、いい刺激になりました。新潟だけしか見てなかったので、自分がスタンダードだと思っていたことが全然違うし、規模も新潟よりもっと大きなところもあったり、農家さんのタイプも含めて多様性があることに気づきました。回りながらコメを作ってもらう営業もできるので、得るものしかなかったと言っていいでしょうね。
でも一番の転換点は、福田さんと出会ったことかもしれません。だいぶ以前に「みつひかり」の存在を知った時は、「遅くて、しかも安い」という印象しかなかったんです。でも彼女と会った時、「確かに遅くて安いかもしれないけれど、こういった特徴があるんだよ」というのを教えてもらって、「あっ、そうか!」と目が覚める思いがした。ちょうどうちの面積が1年で10町歩くらいドンと増えた時期で、設備投資をしなければとか、調達は大変だなとか、何か打破できるものはないか探していた頃だったんですよ。
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丸田洋 マルタヒロシ
株式会社穂海 有限会社穂海農耕
代表取締役社長
1974年新潟県生まれ。東北大学機械航空工学科卒。発電機の開発、スキー場勤務を経て、2005年に就農。05年に立ち上げた有限会社穂海は現在、有限会社穂海農耕に改名し水稲の栽培と作業受託業を担当する。2011年には集荷・販売、コンサル業務を行う株式会社穂海を設立。またJGAP導入指導員として毎年50~60件の講演や研修等を行う。同社はJGAP団体認証の第一号でもある。
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