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岡本信一の科学する農業

夏場のホウレンソウで発芽を確保する方法

前回に引き続き、ホウレンソウの調査結果について書いてみよう。基本的に冬の作物で、冷涼な気候を好むホウレンソウにとって、夏場の播種というのは発芽しづらい条件がそろっているといって良い。そのために、夏場のホウレンソウは難しい、ということになる

 その後の障害もあることはあるが、発芽率が悪くては歩留まりを向上のしようがなく、発芽率を上げることは必須である。本来季節に合わないものを栽培するのだからある意味仕方がないのだが、難しい時期であるからこそ発芽の条件というものを真剣に考え、圃場の条件を整える必要がある。

 まず、発芽が行なわれる条件を少し整理してみよう。重要なのは、土壌の温度と水分である。作物にとって適切な温度でないと、発芽は抑制され、また、水分も種子に浸透できるほど充分でないと発芽できない。さらに土壌の鎮圧が充分でないと、土と種子の接触面積が小さ過ぎて水分の種子への移行が行われにくく、発芽が抑制されてしまう。


堆肥の投入によって、作物の発芽率や収量が減少する!?

 今回の調査は、2010年の夏に南九州にて栽培の定量化の実証を目的に行なった。夏場の露地ホウレンソウを対象に、試験圃場を3つ設定し、それぞれ、堆肥施用の有無(圃場A)、株間の違い(圃場B)、追肥による効果などについて複合的に試験したが、ここでは夏場のホウレンソウの発芽条件に絞って紹介する。

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