ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

猛暑後の秋期葉物野菜類 ホウレンソウ、コマツナ、ニラ、シュンギク

この9月は、残暑というより夏の猛暑が続いたような厳しい月だった。そのため、秋商戦も不発ぎみで、台風17号も豊作傾向の夏秋野菜には影響も軽微である。消費者自身、10月に入っても秋の到来が感じられていない。これから日々、気温も低下し、空気も乾燥してくるにしたがって、鍋物のシーズンに入ってくるが、葉物野菜も冬本番に向けて品質が向上するとともにおいしくなってくる。俗に食欲の秋というが、それは人々が夏ばてぎみの体力が回復してくることと、秋の食べ物がおいしくなることとの相乗効果をいっている。鍋や煮物提案と合わせて、生育も旺盛になる秋の葉物野菜で売りに出たい。

ホウレンソウ 猛暑後の秋には入荷増加に遅れが。若い世代向きにメニュー提案必要

【概況】

東京市場のホウレンソウの入荷は、秋から増え始め、11~2月にピークを作る。量の少ない夏ホウレンソウは単価が高い。ここ数年の経過をみると、全体には漸減傾向だが、特に猛暑の年は8月に極端に入荷が減少し、9月も入荷は増えてこないという特徴がある。一昨年と今年がそんなパターンだ。昨年は震災と放射能問題もあって、春以降、秋に至るまで大きく減ったが、今年は9月までの累計でその昨年並みの入荷だ。

【背景】

この夏は、夏秋野菜全般に豊作で価格が低迷。消費も不活発で、流通業界は疲弊している。ホウレンソウについては、8月は猛暑の影響で入荷量も前年以上に少なかったが、品質も悪かったことから単価が安い。9月も下旬になってようやく温度もやや下がりぎみとなり、“低温好き”のホウレンソウは息を吹き返した感がある。播種期の高温で10月の生育が心配されるが、台風の影響も軽微。ほぼ問題なく、例年通りの入荷急増期となってくるはずだ。

【今後の対応】

これからの時期、ホウレンソウは地場生産がメインになる。東京市場ではほぼ関東産地一色であり、鮮度も良いから売りごろ、食べごろの時期だ。温度が下がり、葉も厚くなるにしたがって、鍋でしゃぶしゃぶもおいしい。甘みの強い厳冬期の“寒じめ”が予想以上に増えているが、ごく一般的な葉物であるホウレンソウでも、メニューのレパートリーが貧弱な若い世代向きに、流行の“ちょい足し”的に気軽に試せる食べ方の提案がほしい。

関連記事

powered by weblio