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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

来年、交付金ソバの生産は増えるのか?

今年も豊かな農政に始まり、実証し、経験し、そしてそのありがたさに酔いしれる一年であった。その一番の実証例は間違いなく“ソバの二毛作助成”であろう。私の様に多くの北海道の休耕田では、日本国民にご迷惑をかけるのはとても失礼なことなので、おいしくもないコメの栽培をやめ、他の作物を栽培する者が多く、その結果、私が住む長沼町でもザックリ言って休耕率は80%、その転換畑の90%は、麦と大豆で占められる現状です。
つまり農水の政策ではコメは需要以上に余剰に栽培するものではないと言う、過去43年間の日本の需給関係を調整するために、コメ以外の作物を作ると、それなりの交付金がいただける仕組みになっているのです。

よってヒール・ミヤイだけが特別多くこの交付金をいただいているのではなく、全国数万、数十万のコメを作らず、他の作物を作る転作生産者が、面積に比例してこの交付金を手にすることになりました。

そのような状況下で、昨年から麦後にソバを栽培、収穫すると二毛作助成となる仕組みができ、さっそく申請しましたが、北海道では実績がないとのことで却下。そんな逆境にもめげずに昨年、ソバを栽培した勇気ある先人がいたおかげで、本年からは交付金ソバが栽培できることになりました。

ではこれからもこのような農政が続くのか? もし交付金が無くなったら営農は続けられるのか? 答えは簡単です。「私の知ったことではない」。

北海道の一農家が政治や農政に係わる必要もないし、興味もない。余計なことを話さない方が敵を作らず、黙って交付金が入る? いやいや、そんなセコイ話ではありません。自分の能力は知っていますので、与えられた状況を理解して、次の世代に引き継ぎをさせることが、農業の業の法律的な解釈なのです。最も大切なのは、農業の場合、一世代でことを成し得るのは難しいということです。バイオが進んだ米国でも状況は同じで、日本においても新規参入がすべて上手くいくと考える方がおかしいのです。何も封建的、世襲的なことを言っているのではなく、投資した効果が出るのが最低一世代はかかると言うことであり、それを、数年で効果が出るようにしますよ、と言うことはウソがある。その制度、枠組み、予算配分を作った方たちは私よりは明らかに優秀な方たちであるし、その優秀な方たちが作った制度の一つがこの二毛作助成なのです。農水のホームページにはしっかりとそのやり方やパターンが示されていて、転作田の麦の収穫後にはソバが最適であると記載されています。

今回は実証例があったと言うことで、本年2月には農水の出先機関である農政事務所で二毛作助成が決定され、長沼でも麦後のソバ栽培が可能となった。その後6月27日に地元JAながぬまにある協議会に赴き、担当のYさんには7月2日の締め切りまでは時間があり「不公平は良くないので広く周知徹底すべきである」と進言させていただきました。

私が遺伝子組み換え大豆を作りたいと言っただけで、その一週間後には私を除くすべてのJAながぬまの組合員を召集させ、組み換え反対! と表明させる能力がある団体なので、残り5日もあれば、すべての麦生産者に連絡をすることは簡単なことであろうと考えました。しかし11月上旬に確認したところ、この魅力的な二毛作助成の周知徹底はされなかった様です。JAにもいろいろなご都合があるのでしょうか。

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