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今年の市場相場を読む

イチゴの品種間 棲み分けの行方 とちおとめ、あまおう、さがほのか、紅ほっぺ

イチゴは、年明けから春先までの主要な小売商材である。かつては日本の東西が二大品種で色分けされていたが、続く品種多様化の時代を経て、今では第3勢力ともいえる存在感のある品種群まで登場し、小売店頭を彩っている。ただ、現在の二大品種といわれるとちおとめとあまおうの合計は東京市場では2/3を占めるものの、3割以上はその他の品種であり、個々に役割があるようである。同市場の入荷レベルでは品種が集約された感があるが、イチゴの生産県がそれぞれに県独自品種を育成する流れは変わらない。イチゴは広域流通品種と地場をターゲットにした品種に分化していくのだろうか。

とちおとめ 量販品種としてシェアは5割以上。男性採用のキャラバンに話題性が

【概況】

東京市場のイチゴ類の入荷の50%は、とちおとめである。10月に出始め、6月までまとまった量があるのはこの品種だけ。主産地は7割以上を占める栃木だが、2割弱が茨城で生産圏は東海から関東に集中している。長期販売ができる品種であり、小売店では売れ筋の量販品種として不動の地位を築いている。昨シーズンは平年より2割減の不作で単価が2割程度高かった。今シーズンは前年より15%ほど増える。

【背景】

かつての名品種といわれた「女峰」と「とよのか」の二大品種の交配から生まれただけに果形も食味も安定して普及が進んだが、栃木県では新たに「スカイベリー」を開発。来年度から本格栽培に移る。名前の由来は「大きく美しくおいしい“大空に届くよう”な」素晴らしいイチゴ、ということらしい。とちおとめの後継品種というより、「あまおう」クラスの高級アイテムとして育成する予定だ。量販品種と差別化品種の両建て作戦なら期待できる。

【今後の対応】

「とちおとめ」のPR戦略の目玉は、栃木県出身のお笑いコンビ、U字工事を隊長とした、とちおとめ「おすそ分け隊」キャラバンだ。JA職員から編成された「ストロベリーボーイズ」と共に首都圏各地で無料提供やイベントを開いたり、2月14日には製菓の明治とのコラボで「チョコおとめ」企画を催す。かわいらしさを訴求する宣伝が主流のなか、男性陣が仕掛けるPR活動というのはイチゴでは初めての試みで、話題性が宣伝効果に結びついている。

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