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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 アフリカ農業の現状とモリンガ・ビジネス

広大な土地と人口を擁するアフリカでは人口の60~70パーセントが農村に暮らしている。農業がGDPの20パーセント以上を占めている国の数も30カ国にのぼる。まさに農業の大陸といってよいアフリカは、爆発する世界人口を支えるために、今後、世界の食糧庫として位置づけられていくであろうことはまちがいない。だが、その現状はけっして楽観できるものではない。

 アフリカの農業は大きく二つに分けられる。ひとつはトウモロコシ、キャッサバ、コメ、ミレット、ソルガムなどの主要穀物の生産。もう一つはコーヒー、紅茶、ココア、花などの換金作物の生産と輸出である。しかし、主要穀物の生産は停滞傾向にあり、換金作物も一部を除いて価格の下落傾向がつづき、安定したビジネスとして成立しにくい。生活が楽にならないことから農村を出て、仕事を求めて都会へ行く者も多いが、都会にも十分な仕事があるわけではないため、失業者がスラムの住民となって治安が悪化する、という負のスパイラルが引き起こされている。

 豊かな可能性をもちながらも、アフリカでなかなか農業が伸びない原因は技術的な問題の他に、政府が成果が出るまでに時間のかかる農業を軽視しがちであることや、インフラが貧弱であること、情報が少ないこと、そして農産物の価格が安すぎるため生産意欲がわかないといったことなどが考えられる。

 東アフリカのケニアも、そんな困難を抱えてきた国だが、それでも近年は紅茶と園芸産業を中心に農業分野の伸びが年6パーセント以上に達している。とくに切り花の輸出は年成長率30パーセント以上といういちじるしい伸びを見せている。(ケニア大使館ホームページより)ただ、その多くは多額の外国資本を投入した外資系大企業によるものである。しかし、近年になって、規模は小さいがケニア人自身の手になるベンチャー的な農業関係事業も現れてきた。首都ナイロビで「ボタニック・トレジャーズ」という会社を立ち上げたエリザベス・ムボゴも、そんなベンチャー起業家の一人である。

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