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今年の市場相場を読む

市場における輸入野菜の位置 タマネギ、ニンジン、ネギ、キャベツ、

昨年は生鮮野菜の輸入量が94万7000tと、近年では最も多い2006年の数字に迫った。06年の場合の輸入増大要因は明らかだ。東京市場では夏場を中心とした日照不足と天候不順による入荷減が影響し、平成に入ってからの最少入荷量となった。一方、昨年は春と秋に高値があったが、夏場は暴落という具合に単価が引き金になった。背景や事情は異なるものの、全体的には入荷減の単価高が直接の要因のように見える。ただし、品目によってはそれぞれ背景が違うことに留意しておく必要がある。加工業務用の比率が高く、輸入数量の上位品目から個々の状況を検証してみたい。

タマネギ 単価100円を超えると輸入増に。年間を通じてサラタマの需要開発を

【概況】

東京市場のタマネギは、年間13万t以上の需要があり、キロ単価は90円前後が適正だといわれる。ところが、09年以降は入荷が12万t台で単価は100円を超えている。そのため、昨年はタマネギの全体の輸入量が34万tを突破し、東京市場にも中国産を中心に1万t近くが入荷した。春から夏にかけてが多く、主産地である北海道産の不作と連動する。中国産の真空包装剥き品はキロ80円で流通した。

【背景】

タマネギは国産の豊凶によって輸入量が決まる。豊作の08年は輸入量が18万tにとどまり、東京市場でも輸入品は3000t程度だった。キロ単価は80円である。この年は生鮮輸入野菜も60万tで済んだ。ただし、タマネギは最も基本的な食材であるため、加工業務用では一定程度の輸入品需要はどうしても無くならない。剥き品(裸)ならキロ60円、脱気包装してあっても80円で入手できることから、不安定な国産品への依存率は低下傾向にある。

【今後の対応】

輸入野菜がともに多かった昨年と06年を比べると東京市場へのタマネギの輸入品は3分の2に減っている。これは、市場流通を使わない直接調達の需要者が増えたということだ。対策は2点。どこの道県でもタマネギの地場需要向けの生産を導入すること。もう一つはタマネギの一般需要を開拓することである。例えば、年間を通じた「サラダ用タマネギ」は家庭に定着する可能性が高い。品種や貯蔵法、用途提案などを工夫して生販が連携したい。

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