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渡辺:漢方薬の麻黄湯(マオウトウ)はインフルエンザによく効く。2009年に新型インフルエンザが流行した時には、薬局から麻黄湯がなくなり、メーカーの生産が追いつかなかった。それ以降生産量を増やし今ではネットでも販売されるようになった。インフルエンザを疑った時点で最初に麻黄湯を使って自分で手当てすれば、ほとんどの人は熱が下がる。それでも治らない人が病院に行って抗インフルエンザ薬を使うことにすれば、医療機関に多くの人が押し寄せて感染が拡大するという恐れがなくなるし、パンデミックを防ぎながらワクチンの製造までつなぐことができる。しかし、麻黄湯は甘草、麻黄、杏仁、桂皮が原料で、このうち甘草と麻黄は中国の輸出規制品だ。甘草と麻黄がなければ麻黄湯は作れない。
長根:中国は麻黄を原則輸出禁止として非常に厳しい輸出制限をしていると聞くが、日本で必要な年間600tを今後どこから手当てするつもりなのかという素朴な疑問がある。
渡辺:強毒の新型インフルエンザが日本に上陸するのは時間の問題。麻黄湯が効果的な対策だと知れれば世界中であっという間に生薬が枯渇する。インフルエンザを防ぐためには生薬まで含めたバリューチェーンの確保が国家的な安全保障の問題となる。東洋医学会としては政府のインフルエンザ対策の行動計画の中にきちんと漢方薬を位置づけてほしいという要望を持っている。今後も積極的に情報を発信したい。
技術革新で薬用植物栽培のコストは下げられる
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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