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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 紅茶輸出世界一を支えている徹底した品質管理

アフリカにおける主要農産物の1つが紅茶である。現在、世界の紅茶のおよそ14%がアフリカで生産されている。なかでもケニアはアフリカでトップの生産量を誇り、その輸出量はスリランカや中国を抜いて世界トップの24%に達している。 日本に輸入されている紅茶については依然としてスリランカやインド産のものが中心で、アフリカ産紅茶の輸入量は10%に満たない。そのため、日本では紅茶のイメージはなかなかアフリカとは結びつかない。 しかし、紅茶の伝統のあるイギリスでは、今や茶の全輸入量の62%がアフリカ産である。特にこの10年ほどの間に、そのシェアは飛躍的に伸びている。紅茶といえばアフリカなのだ。紅茶はアフリカにとって外貨収入を支える屋台骨として、今後ますます成長が期待されている農業分野なのである。
 
アフリカは実は紅茶生産の分野では比較的新参者だ。アフリカで茶の栽培が始まったのは約130年前。イギリスの教会関係者が東アフリカに持ち込んだ茶を、植民地の宗主国の企業が現地生産したのが始まりである。
インドやスリランカといった伝統的な産地を差し置いて、アフリカの紅茶産業がどうしてここまで伸びたのか。その理由を知りたくて世界トップの紅茶輸出国であるケニアの紅茶生産の現場を訪れた。
ケニア中央部、ナイロビから100数十キロ離れたティカはケニアでも有数の紅茶の生産地である。訪れたのは、このティカの町からさらに数十キロ先のマタアラ紅茶ファクトリー。このあたりはなだらかな高地になっていて、山の斜面には一面紅茶畑が広がる。ここで生産される紅茶は、世界でも最も質の良いものの1つとされている。
迎えてくれたのはファクトリーでフィールドサービスコーディネーターを務めるワイナイナ氏。「まずはお茶でも」とこのファクトリーで生産された紅茶を出してくれた。「いちばん質のいい物ではないのですが」といわれたが、それでも香りが高くて、とてもおいしい。
正直、アフリカの紅茶はインドやスリランカに比べると、質は落ちるのではと思っていた。しかし、それが偏見であることは、出された紅茶を飲み、説明を聞くうちにすぐにはっきりした。

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