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【土門「辛」聞】
スペインに学べ! ホントの6次産業化 補助金頼らず、コンセプトとストーリーが決め手
- 土門剛
- 第106回 2013年06月14日
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スペインに学べ! ホントの6次産業化
補助金頼らず、コンセプトとストーリーが決め手
「ワインづくり、オリーブオイルづくりを行なっている小規模な家族経営のワイナリー。このプロジェクトの出発点は2002年に購入した2つの高齢樹(樹齢55年のカリニェーナと同80年とガルナッチャの畑)から始まりました。そこから徐々に栽培面積を広げ、現在では40haほど。そして06年に醸造所を建設し、ワインづくりを始めました。ブドウ畑やオリーブ畑を持ち、鶏と羊を飼養。できる限り自給自足のワイナリー経営を目指しています」
この説明文を読んですぐ、「これって、スペイン版6次産業化みたいだ。こりゃ、行かにゃ~、なるまい」と即断し、顔なじみの輸入代理店にアポを取ってもらいました。
「セジェール・ラ・ヴィニェータ(Celler La Vinyeta)」と呼ぶワイナリー。場所は、カタルーニャ州の州都バルセロナより東へ160kmほど。フランス国境に接したエンポルダーと呼ぶ地域にあります。数々の奇行で有名な画家サルバドール・ダリの出生地で有名なフィゲラスという町の近く。ヨーロッパ大陸とスペインを分けるピレネー山脈のすぐふもとにありました。
親や親戚からの援助で開業
宿泊先のホテルに、年季の入ったBMWで迎えに来てくれたのが、オーナーのジュゼップ・セーラ君(写真1)。ちょいとイケメンで、御年34歳。横は妻のマルタさん。デザイナーとしての心得があり、ワインの売り込みや経理事務など内助の功をしっかりと果たしておられる風でした。実家は同じカタルーニャ州でワイナリーを営んでおられるとか。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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