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今年の市場相場を読む

小物洋野菜類の役割と普及 ズッキーニ/ハーブ類/ペコロス/ラディッシュ

今はさまざまな出身の野菜類が日本マーケットに普及しているため、あえて「西洋野菜」などという言い方はなくなったが、まだツマ物的な使われ方をしたり、需要が一部に限定され普及が遅れているものを「小物洋野菜」などと表現する。多くは、欧米では食文化の裏づけのある野菜類であるため、さらに日本でも普及する可能性のあるものも少なくない。その食材を使う外来料理が日本で定着したり、日本的な利用方法が拡大するなどが条件となるが、すでに消費者にもなじんでいるものもあり、産地としても直接、間接のメニュー提案などを通じて、積極的に普及拡大を目指すべきものを考えてみよう。

ズッキーニ

過去5年で飛躍して普及拡大期に。規格の見直しや統一を図る必要が

【概況】
 ズッキーニはもともと、イタリア料理店などでしか使われなかった本場の食材である。30年前にはその多くが輸入されていたが、近年では完全に国産化された。東京市場には32の都道府県から入荷があり、2008年と12年の対比では6割以上の入荷増を見る。ピークは夏場で、シェア1位の長野産を中心に入荷し、冬場から春は2位の宮崎が供給している。ピーク時を中心に関東産地が出そろう。

【背景】
 主産地はともにシェア3割以上の長野と宮崎だが、近年では毎年、どの月も入荷が増えている。ズッキーニはカボチャの仲間だといわれるものの、食味や料理法はむしろナスに近い。油にもなじみ、スープの具にもいい。天ぷらやぬか漬けなど日本的な料理や食べ方でもおいしい。こうして幅広い料理に合う食材として普及した。今やどこの直売所でも見られるほどの普及ぶりは文句なく洋野菜類の代表的な出世頭だろう。

【今後の対応】
 ズッキーニは緑色のほかに黄色いものもあり、業務用では花ズッキーニも需要がある。しかし、明らかに普及期に向かうズッキーニは、通常の緑色を基調に規格の見直しや統一が求められる時期に入っている。業務用では15cmくらいまでのものが中心規格とされているが、一般普及ではもっと大きくしたものでキロ単価を下げる工夫が必要だ。ナスやトウガンの性質を併せ持つ新しい洋野菜として、宣伝や外食メニューへの採用などを仕掛けたい。

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